宅配ボックス
宅配業界の現状と宅配ボックスの存在意義
インターネット通販の拡大により、配達員の負担が重くなっている配達業界。ヤマト運輸ではその負担に耐えかね、宅配便の総量規制を打ち出すなど、社会問題化しているのが現状です。なかでも大きな問題となっているのが再配達問題。いつ荷物を届けに行っても不在、不在の繰り返しで、配達員が大変な消耗を強いられています。そこでいま脚光を浴びているのが不在時も荷物を受け取れる「宅配ボックス」です。
戸建ての宅配ボックスは意外に歴史が古く、例えばパナソニックでは1992年から販売を開始しています。ただ当時はサイズが小さかったり、100V電源が必要だったりと制約が多く価格も高かったので、普及に至らなかったそうです。しばらく低迷していた宅配ボックス市場ですが、ここ数年は注目度が上がっています。
93年度と比べると扱い数はなんと3倍以上になっています。2015年度は約37.5億個もの配送があったといいます。共働き家庭の増加の影響によって宅配ボックスに注目が集まるようになりました。共働き家庭では日中に荷物を受け取る人が居ないという状況がみられています。
さらに再配達による弊害にも目が向けられるようになりました。再配達による宅配業者の労働環境の悪化が社会問題になっており、改善が急務となっています。こうした背景から、大型マンションだけでなく、小規模アパートや戸建てにも、再配達のいらない宅配ボックスの必要性が高まっていきました。
宅配ボックスを設置するメリット
- 最短受け取りが可能に
日時を気にすることなく荷物を受け取れて、再配達の手間を省くことができます。最近のネットショップでは注文した当日に配達の手配をしてくれるところもあります。宅配ボックスがあれば、「せっかく早く届けてくれたのに不在で受け取れなかった」ということもなくなります。欲しいものを最短で受け取ることができます。 - 時間を有効活用できる
日時を指定していても細かく時間を設定することができないので、配達されるまで家にいる必要があります。しかし荷物を受け取る予定でいても急な用事で外出しなければならないこともありますし、在宅中であっても家事や育児で手が離せない時はすぐに対応できない場合もあります。そのような時も配達の時間を気にすることなく荷物を受け取れます。 - セキュリティー面での安心感を得られる
宅配ボックスは直接顔を合わせることなく、荷物を受け取れるのでプライバシーが守られます。
また日中でも高齢の方や幼いお子さんがいらっしゃるご家庭では外部との対応に不安を感じる場合もあるでしょう。しかし、そのような時も宅配ボックスが代わりに荷物を受け取ってくれるので安心です。宅配ボックスが直接対面することによる心配やストレスを軽減してくれます。
◯福井県の実験では劇的な効果が実証された
パナソニックが福井県あわら市で行った宅配ボックスの実証実験では、103世帯に宅配ボックスを導入した結果、再配達が49%から8%まで激減したという結果に。いかに宅配ボックスが効果的であるか実証されたわけです。
また、宅配ボックスは大手宅配業者にも認知されており、しっかり利用してくれるのもポイント。以前は宅配ボックスの存在を知らず、持ち帰ってしまった例もあったそうですが、現在は認知度も高まり利用率もアップしています。
日本一共働き世帯が多い福井県で実証された実験結果によって、宅配ボックスの価値・必要性を世に広く知らせることになりました。
配達業者の負担も減り、輸送車の燃料も節約できて環境への負担も減らせる宅配ボックス。受け取る側は再配達の手続きを行う手間も省けるという優秀なアイテムです。
宅配ボックスの不安を解消するQ&A
しかし今までなかったものをいきなり設置するとなると少し不安に感じるかもしれません。ここでは戸建住宅向けの宅配ボックスの種類や特徴、操作方法など、よくある疑問にお答えします。
Q1.宅配ボックスにはどんな種類がある?
機能で分けると「機械式」と「電気制御式」のふたつの宅配ボックスは、機能的に分類すると、ダイヤル錠などにより扉の施解錠を行う「機械式」と外部の電源を利用して扉の施解錠を行う「電気制御式」があります。「機械式」には、電池などを利用して作動させるものも含まれます。戸建住宅に取り入れる場合では、「機械式」は配線工事が不要なので、比較的簡単に設置することが可能でしょう。電気関連の故障やメンテナンスなど諸経費も不要なのもメリットです。「電気制御式」は、画面での操作や音声ガイダンスなどで使い方も簡単なものも出ていますし、セキュリティシステムとの連動も可能なタイプもみられます。
Q2.どんな荷物でも受け取れる?
サイズは商品によって異なりますが、生鮮食料品や貴重品、書留などは受け取れません。
戸建住宅用の宅配ボックスの大きさには、いくつかの種類があり、標準的なタイプだけでなく、スリムなタイプやコンパクトなタイプも増えてきています。自宅に送られてくることが多い荷物のサイズに合わせることが基本ですが、商品ごとに最大サイズと重量が記載されているので、選ぶ際に確認することが大切です。
Q3.設置するにはどんな方法がある?
門塀や外壁に埋め込んだり、スタンドタイプのものも住宅向けの宅配ボックスには、門塀や外壁などに埋め込むタイプや壁掛タイプ、専用のスタンド(ポール)などに設置するタイプや機能門柱と組み合わせるタイプ、据え置きタイプなどがあり、敷地条件やエクステリアプランによって、選ぶことが可能です。設置する場所に合わせて、扉の開閉方向を選ぶことができる商品もみられます。
また郵便ポストと宅配ボックスが一体化したタイプなどもありますし、エクステリアメーカーの商品には、門柱や門扉、フェンスなどとコーディネートできるタイプなども揃っています。
戸建住宅では、ひとつのボックスを設けるタイプが多くみられますが、ボックスをふたつ以上組み合わせることができる商品もあります。
Q4.操作手順は難しくない?
簡単な操作で使い勝手も向上しています。宅配ボックスは、メーカーや商品によって詳細部分は異なりますが、簡単な操作になっています。多くみられる「機械式」のタイプの場合、配送業者さんと居住者の操作は以下のとおりです。
- 配送業者
宅配ボックスの扉を開けて荷物を入れる
扉を閉じロックボタンなどで施錠
伝票(受領書)を押印装置にセットし受領印を押印 - 居住者
荷物の有無を表示や窓などから確認
鍵などで扉を開け荷物を取り出す - 扉を閉め、空きの状態に戻す
Q5.リフォームでも設置できる?
既存の門まわりに、設置するスペース、出し入れができる空間があれば、リフォームでも取りいれることが可能です。「機械式」のタイプであれば、配線工事が不要なので、比較的簡単に設置することができるでしょう。
宅配に関するストレスの「改善」に寄与する宅配ボックス。ご新築・リガーデン時に、設置を検討してみてはいかがでしょうか。
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