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①宅配業界の現状と宅配ボックスの存在意義

インターネット通販の拡大により、配達員の負担が重くなっている配達業界。ヤマト運輸ではその負担に耐えかね、宅配便の総量規制を打ち出すなど、社会問題化しているのが現状です。なかでも大きな問題となっているのが、再配達問題。いつ荷物を届けに行っても不在、不在の繰り返しで、配達員が大変な消耗を強いられています。そこでいま、脚光を浴びているのが不在時も荷物を受け取れる「宅配ボックス」なのです。

戸建ての宅配ボックスは意外に歴史が古く、例えばパナソニックでは1992年から販売を開始しています。ただ、当時はサイズが小さかったり、100V電源が必要だったりと制約が多く、価格も高かったので、普及に至らなかったそうです。しばらく低迷していた宅配ボックス市場ですが、ここ数年は俄然注目度が上がっているとのこと。

 

先述しましたが、その背景にはインターネットショッピングによる宅配便の増加があります。93年度と比べると扱い数はなんと3倍以上に。2015年度は約37.5億個もの配送があったといいます。宅配ボックスに注目が集まっているのは、共働き家庭の増加も影響しています。現在、約22%が共働き家庭で、日中に荷物を受け取る人が居ない状況となっています。

 

もうひとつ、再配達による弊害に目が向けられるようになったのもポイントです。国土交通省はCO2の削減を目的とし、再配達削減への取り組みを模索。また、再配達による宅配業者の労働環境の悪化が社会問題になっており、こちらの改善が急務となっています。こうした背景から、大型マンションだけでなく、小規模アパートや戸建てにも、再配達のいらない宅配ボックスの必要性が高まっているわけです。

 

②宅配ボックスを設置するメリットとは?

宅配ボックスのメリットは、なんといっても不在時に配達される荷物を受け取れ、保管できること。共働きであれば、週末にしか受け取れないケースもあるでしょうし、急な外出で不在になる場合もあるもの。宅配ボックスを設置することで、荷物の配達の日時を気にしないですむ、ということが大きな魅力でしょう。

また、帰宅後に再配達の連絡も不要ですし、直接対面しての受け取りではないのでプライバシーやセキュリティなどの面でも安心なこと、などもメリットとして挙げられます。不在時だけでなく、夜間の来訪であったり、高齢の方や幼いお子さんがいらっしゃるご家庭など、外部との対応に不安を感じる場合などでも、便利なアイテムと言えるのではないでしょうか。

 

◯様々な状況で効果を発揮する万能アイテム・宅配ボックス。これひとつで以下のシチュエーションは解決します。

〈外出時〉

・平日は、夫婦二人とも仕事で遅い

・休日は家族で帰宅時間を気にせず出かけたい

〈在宅時〉

・料理や洗濯など、家事で手が離せない

・着替えや入浴、化粧中ですぐに対応ができない

・家族団らん中で訪問に気づかない

・小さなお子様のみのお留守番の時に来られたら心配

・足腰が悪くすぐに玄関に向かえない

 

◯福井県の実験では劇的な効果が実証された

パナソニックが福井県あわら市で行った宅配ボックスの実証実験では、103世帯に宅配ボックスを導入した結果、再配達が49%から8%まで激減したという結果に。いかに宅配ボックスが効果的であるか、実証されたわけです。

また、宅配ボックスは大手宅配業者にも認知されており、しっかり利用してくれるのもポイント。以前は宅配ボックスの存在を知らず、持ち帰ってしまった例もあったそうですが、現在は認知度も高まり利用率もアップしています。

日本一共働き世帯が多い福井県で実証された実験結果によって、宅配ボックスの価値・必要性を世に広く知らしめることになりました。

配達業者の負担も減り、輸送車の燃料も節約できて環境の負担も減らせる宅配ボックス。受け取る側は再配達の手続きを行う手間も省けるという全方位にとってWin-Winのアイテムです。

 

③宅配ボックスの不安を解消するQ&A

設置すれば配送関係が劇的に向上する宅配ボックスですが、今までなかったものをいきなり設置するとなると、少し不安ですよね。ここでは、戸建住宅向けの宅配ボックスの種類や特徴、操作方法など、よくある疑問にお答えします。宅配ボックスビギナーの方は、是非参考になさって下さい。

 

◯宅配ボックスにはどんな種類がある?

・機能で分けると「機械式」と「電気制御式」のふたつ

宅配ボックスは、機能的に分類すると、ダイヤル錠などにより扉の施解錠を行う「機械式」と外部の電源を利用して扉の施解錠を行う「電気制御式」があります。「機械式」には、電池などを利用して作動させるものも含まれます。

戸建住宅に取り入れる場合では、「機械式」は配線工事が不要なので、比較的簡単に設置することが可能でしょう。電気関連の故障やメンテナンスなど諸経費も不要なのもメリットです。「電気制御式」は、画面での操作や音声ガイダンスなどで使い方も簡単なものも出ていますし、セキュリティシステムとの連動も可能なタイプもみられます。

 

◯どんな荷物でも受け取れる?

・サイズは商品によって異なる。生鮮食料品などは不可

戸建住宅用の宅配ボックスの大きさには、いくつかの種類があり、標準的なタイプだけでなく、スリムなタイプやコンパクトなタイプも増えてきています。自宅に送られてくることが多い荷物のサイズに合わせることが基本ですが、商品ごとに最大サイズと重量が記載されているので、選ぶ際に確認することが大切です。

注意したいのは、受け取りは宅配ボックスひとつにつき、一個の荷物なので、荷物を取り出さないと次の荷物を預かることができないこと。また、生鮮食料品などのな生もの、貴重品、書留などは受け取ることはできないことも理解しておきましょう。

 

◯設置するにはどんな方法がある?

・門塀や外壁に埋め込んだり、スタンドタイプのものも

住宅向けの宅配ボックスには、門塀や外壁などに埋め込むタイプや壁掛タイプ、専用のスタンド(ポール)などに設置するタイプや機能門柱と組み合わせるタイプ、据え置きタイプなどがあり、敷地条件やエクステリアプランによって、選ぶことが可能です。設置する場所に合わせて、扉の開閉方向を選ぶことができる商品もみられます。

また、郵便ポストと宅配ボックスが一体化したタイプなどもありますし、エクステリアメーカーの商品には、門柱や門扉、フェンスなどとコーディネートできるタイプなども揃っています。

戸建住宅では、ひとつのボックスを設けるタイプが多くみられますが、ボックスをふたつ以上組み合わせることができる商品もあります。

 

◯操作手順は難しくない?

・簡単な操作で使い勝手も向上している

宅配ボックスは、メーカーや商品によって詳細部分は異なりますが、簡単な操作になっています。多くみられる「機械式」のタイプの場合、配送業者さんと居住者の操作は以下のとおりです。

 

■配送業者

・宅配ボックスの扉を開けて荷物を入れる

・扉を閉じロックボタンなどで施錠

・伝票(受領書)を押印装置にセットし受領印を押印

■居住者

・荷物の有無を表示や窓などから確認

・鍵などで扉を開け荷物を取り出す

・扉を閉め、空きの状態に戻す

◯リフォームでも設置できる?

・既存の門まわりに、設置するスペース、出し入れができる空間があれば、リフォームでも取りいれることが可能です。「機械式」のタイプであれば、配線工事が不要なので、比較的簡単に設置することができるでしょう。

④各社が開発した宅配ボックスの特徴

「宅配ボックス」とインターネットで検索すれば、たくさんの商品紹介のHPがヒットします。ここでは、特に問い合わせの多いメーカーとその代表的な宅配ボックスをご紹介します。

 

1、Panasonic・COMBO-F(コンボ-F)

言わずと知れた宅配ボックス業界のパイオニア、Panasonicの開発した次世代型の宅配ボックスです。

コンボ-F(前入れ後出し)は、壁埋め込み・ポール取り付け式。素材感を活かした直線的なデザインが魅力です。上段は郵便物、下段が宅配物と個別で受け取れる一台二役のアイテムは、新築・リフォーム問わず人気です。

郵便ポストの投函量は朝刊4日分で、宅配ボックスの収納サイズは最大で300×340×180mm。最大10kgの荷物が収納可能です。

価格は色柄によって109,800円、120,500円の2通りがあります。本製品は郵便ポストで多く使われているブロック2つ分のサイズから周囲-5cmとなっているので、ポストを取り外して、そのまま本品と交換ができるのが便利です。

取り出し口蓋を開けると点灯するポスト内LEDライトもオプションで選べるので、夜間の取り出しの際も簡単に行なえますね。

 

2、LIXIL・リンクスボックス

LIXILから2017年に新発売された宅配ボックス「リンクスボックス」は、スマートフォンと連携するタイプの宅配ボックスです。「ポール建てタイプ」と「壁埋め込みタイプ」の2種類を用意し、価格は99,200円~(税別、設置工事費別)。

他社との一番の違いは、スマートフォンで到着状況を確認できることです。同社が展開するセキュリティシステム「ホームネットワークシステム」と連携して使用が可能になります。家庭の無線LANに「ホームユニット」を接続し、リンクスボックスと連携させることで、荷物の受取・取り出し状況をスマートフォンで確認できるのです。

使用方法としては、宅配業者が荷物を投函するために事前に扉を開けておく必要があります。扉を閉めたら自動でロックが掛かり、スマートフォンに投函メッセージが発信されます。パスワードを入力する操作部はタッチパネル式電子錠で、取り出し時にはボックス内部のLED照明が自動転送しますので、簡単に操作で来ますね。電子錠はリチウム電池を採用しており、配線工事は不要なのも大きなポイントです。

宅配ボックスの収納サイズは最大で220×480×350mm。最大15kgの荷物が収納可能です。本体カラーは、シャイングレーとロイヤルブラック。ホームユニットとリンクスボックスの見通し距離は約70mです。

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※ホームネットワークシステムのラインナップには、「屋内カメラ」や「屋外カメラ」を用意されています。ホームユニットと連携することで、スマートフォンから自宅の様子を確認でき、家族やペット、車などを見守れるのが特徴です。配線工事・月額料金不要で使用可能です。

価格は、ホームユニットが25,000円、屋内カメラが33,000円、屋外カメラが43,000円~(税抜)。

 

3、ユニソン・コルディアラック

可愛らしいエクステリア商品を展開しているエクステリアメーカー・ユニソンからは、コルディアラックというポスト・インターホン・門柱と一体化した宅配ボックスを販売しています。宅配ボックス本体だけでなくポール部分もカラーの選択ができるので、エクステリアのデザインにカラーを合わせることが可能です。宅配ボックス、門柱ともに木目カラーを出しているのは、ユニソンのみです。

コルディアラックの採用した門柱は形に特徴があり、最大で2つの宅配ボックスを設置することが出来ます。宅配ボックスは2つのサイズがあり、小さいボックスは宅配80サイズ(三辺の合計が80cm)、重量は10kgまで受け取れます。小型の宅配物が多い方にはピッタリのサイズですね。

大型の宅配物が多いご家庭には、一回り大きいサイズのボックスがベストでしょう。こちらは宅配100サイズ(三辺の合計が100cm)、重量はなんと20kgまで大丈夫です。過剰包装によって大きくなってしまう荷物も、これなら入るので再配達の心配は要りません。

ご家族皆さんがインターネットショッピングが大好きなご家庭なら、この2種類のボックスを同時に取り付けると生活の仕方が一気に変わります。通信販売のヘビーユーザーにとって、受け取れる荷物が1つのみでは結局大して便利さを感じない、と言う意見は少なくはありません。この「宅配ボックス×2」のコルディアラックによって、もう不便を感じることはないでしょう。

現時点では再配達は無料で行われるため、宅配ボックスは必須の設備とは言えないかもしれません。しかし、もし人手不足・配送量の問題が解消されず「再配達有料化」となれば、宅配ボックスの設置が当たり前の世の中になるでしょう。また、配達時間の繰り上げをはじめとして、荷物を受け取ることのできる時間が短縮されることで、宅配ボックスのある生活を望む声の増加が予想されます。

社会課題と一人ひとりの住みやすさ、あらゆる状況の「改善」に寄与する宅配ボックス。ご新築・リガーデン時に、設置を検討してみてはいかがでしょうか。