アプローチ
お住まいの印象を決めるアプローチ
アプローチはご家族が帰ってきた時、またお客様が来られた時に必ず通る場所であり、必ず目にするものです。敷地の外のパブリックな空間から、ご家族のためのプライベートな空間を繋ぐのがアプローチ。常に人の目に触れる場所なので、お住まいのイメージを印象づける場所と言っても過言ではありません。
せっかくつくるなら「おしゃれなお家だなぁ」、「ここのお庭は素敵だな」と思われるような空間をつくりたいと思いますね。ここでは素敵なアプローチをつくるために意識しておくべきポイントや、人気の素材についてご紹介します。素敵でおしゃれなアプローチへの第一歩を踏み出しましょう。
アプローチについて考えよう
アプローチは確かにおしゃれで綺麗で素敵なものであるに越したものはありません。しかし、それ以上に意識しなくてはいけないものがあります。それは「使いやすいかどうか」です。毎日通って使用するところですし、造形美を優先するあまり使いづらくなってしまっては元も子もありません。ご家族やお客様にとって、どのようなアプローチが使いやすいのかを柔軟に考えていく必要があります。
アプローチはデザインの仕方一つで様々な効果を生みます。またデザイン性をアップさせるコツについても知っておくと良いでしょう。「なるほど、こういう考え方もあるのか」「我が家にはこれがいいかも!」など発見があるかもしれません。
- プライバシーを守り、奥行きを感じさせるアプローチ
敷地の形状によっては玄関を開けると道路側から家の中が丸見えになるということがありますね。これではプライバシーは保たれません。このような場合はデザインウォールやスクリーンフェンスなどを活用し、道路側から見えないように隠すことが必要です。こうしてアプローチ上に目隠しをして奥が見えない状態にしておくと、心理的に奥行きを感じさせるようなつくりにすることができます。
また道路と玄関を直線で結ぶのではなく、あえてクランクさせたり斜めに同線をつくることで、アプローチを歩く時間が長くなり、広い空間を演出できます。玄関までを最短距離で繋ぐアプローチも非常に機能的なものですが、あえて長く歩いてもらうことで、お住まいやエクステリアの魅力を印象付けることができるでしょう。
- 歩行性と防犯対策を兼ねたアプローチ
アプローチをつくる際に意識しなくてはならないのが、夜や雨の日の歩行です。昼間や晴れの日のことだけを考えてつくると、後悔してしまうことになるでしょう。夜や雨の日にアプローチを歩くことを考えると、安全で滑らないようなアプローチにすることが必要になります。いくら門の周りやアプローチの周りが綺麗で豪華でも、歩きにくければ意味がありませんね。段差や曲がり角、障害物などがある場合、その場所にエクステリアライトを設置することで安心感が生まれますし、印象的なアプローチになります。それだけではなくアプローチを明るく照らすことで、不審者の侵入を抑制します。暗がりがなくなり防犯性もアップ。またアプローチの水はけにも注意することが大切です。アプローチの水はけが悪いと雨の日に滑ってしまう可能性も出てきます。アプローチの素材によっては、水はけが悪いことが原因で傷む可能性も出てくるでしょう。
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- バリアフリーにも配慮したアプローチ
お庭のつくりを変えるとき、ご要望の一つとして多いのが「バリアフリー化」です。高齢化社会において、家の中だけでなくエクステリア空間もバリアフリーにしたいという方が多くなってきました。今は必要なくても、その家に長く住み続けるのであればバリアフリーを意識してつくる必要があるでしょう。段差や階段があれば、一部または全部をスロープにすることで、足をつまづかせるような危険性はなくなりますし、車いすでの行き来も楽になります。ただし、階段をスロープにした場合、角度が急すぎると逆に不便になってしまいます。車いすやベビーカーを乗り入れする予定がある場合は、スロープの角度を計算し、どのくらいの長さを取るべきなのかを確認しましょう。
風格と優雅さを兼ね備えたバリアフリーエクステリア~四釜様邸~
- アプローチを綺麗に彩るコツ
アプローチが細く短い場合、どうしてもデザイン性に乏しくなってしまい、楽しさに欠けたアプローチになってしまうこともあります。この場合はお花を植えてみたり、ライティングを使ってアプローチを演出し、アプローチを歩くのが楽しくなるように工夫してみましょう。お花を植えたり花壇を設けたりすることで、四季の移り変わりを感じることができます。またアプローチに草花を植えることで華やかになります。最近のエクステリアライトはデザイン性豊かなものが増えたので、ライティングによって人々の目を楽しませることができるでしょう。シンプルなアプローチでも工夫次第で、様々な表情を見せてくれます。
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DESIGN POINT 3アプローチに使用される人気の素材とは?
アプローチに使われる素材には、様々な種類のものがあります。ご自宅の雰囲気や、地域の特性なども考えて慎重に選ぶ必要があるでしょう。ここでは代表的な素材について取り上げます。
- レンガ
レンガは原料が土や粘土といった自然の素材なので、非常にナチュラルな雰囲気を出すことが出来ます。ナチュラルモダンやカントリーなデザインのお庭にはぴったり合うでしょう。レンガは丈夫で、特にメンテナンスが必要というわけでもありません。ナチュラルな雰囲気なので、草やお花との相性も抜群です。またレンガは大きさを調整できるので、小さなレンガを使えば柔らかなアーチを描くこともでき、優しい雰囲気を演出できます。新しいレンガも綺麗でいいですが、使い込まれたアンティークレンガを使えば、レトロな雰囲気も出て可愛らしさもアップします。
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- 乱形石や方形石などの自然石
「石をお庭に使う」というと、なんとなく日本風の庭園のイメージされるかもしれません。しかし自然石はどんなお住まいにも合う素材です。日本だけでなく、世界各国から取り寄せられた自然石は、様々な色や形のものがあります。洋風のお庭にはイエローやピンクなどの乱形石が合うでしょう。日本風の和庭は黒やグレーの落ち着きのある自然石を並べると、味わい深い渋さが演出できます。石は丈夫で長持ちする素材です。水を吸収して色みを変える石もあるので、雨の日には雰囲気が変わり、表情の変化も楽しむことが出来ます。乱形石をアプローチに使用する場合は、自然がつくり出すナチュラルさと荒々しさを表現するのも良いでしょう。様々な素材を組み合わせてエクステリアをデザインする際は、同系色でまとめるとスッキリとした印象になります。
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- タイル
タイルは選ぶ色やテクスチャーによって、表情が変化します。シンプルなモダンのお庭にも、ナチュラルモダンなエクステリアにも合う万能な素材。一色で統一してアプローチをつくることでシンプルな景観に。また同系色のものをいくつか混ぜてアプローチをつくると、景観にリズムが生まれます。タイルは原料が様々あり、質感や光沢、表面のテクスチャーなども大きく異なります。完成させたいアプローチのイメージを考えて素材を選ぶことが必要になります。近年では技術の進歩により、汚れに強いタイルや、木目柄のタイルなども登場しています。様々なタイルを組み合わせれば、デザイン性豊かなアプローチをつくることが出来るでしょう。
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- 枕木
枕木というと、ガーデニングのアイテムとして人気の高い素材です。枕木も素敵なアプローチをつくる素材です。ナチュラルな雰囲気の素材なので、枕木で造られたアプローチは牧歌的で優しい雰囲気になります。しかし気を付けなくてはいけないのは、天然木の枕木。特にホームセンターなどの天然木は朽ちるのが早いという面があります。「枕木を使ったアプローチがつくりたい!」という場合は、コンクリート製の枕木を使用することをオススメします。コンクリートで出来ているので非常に丈夫で、腐ったりすることもありません。
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- 洗い出し
洗い出しとは、コンクリートに砂利や小石を混ぜてから形成し、コンクリートが渇いて固まり切ってしまう前に水で表面を洗い流すことで、砂利を浮き上がらせる方法です。砂利が表に出ることで滑り止めの役割も果たすので安全性も高まります。
また混ぜる砂利や小石の色を調整することで、和風のお庭にも洋風のお庭にも合うアプローチをつくることが出来ます。この洗い出しを行うには技術が非常に重要なので、熟練の職人さんに依頼するようにしましょう。
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- フロアービーズ
フロアービーズは洗い出し以上に、使うカラーによって様々な表情を見せてくれるフレキシブルな素材です。自然石やレンガなど他の素材とフロアービーズを組み合わせることで、華やかで明るいアプローチをつくることが出来ます。
アプローチはご家族の方も来客の方も使いやすく心地いいデザインにすることが大切です。そこに我が家を印象づけるエッセンスを加え、デザイン性のあるアプローチをつくってみるのはいかがでしょうか?。