新築エクステリア工事施工事例集
施主様の想いがこもった冠木門〜佐野様邸〜
伝統的な冠木門にアーバンテイストをプラス
特徴的な門まわりの佐野様邸。日本古来の冠木門を現代風にアレンジし、ステンレスの部材で、和の趣の中にモダンなイメージを加えたファサードにデザインしました。この冠木門とは柱と冠木という横木だけでつくられた屋根のない門のことです。
伝統的な日本家屋にある凛とした表情を取り入れたエクステリアは、懐かしくも新しい風情を楽しめます。門を構えることで、お住まいが引き立ち、中への期待感を高めます。ひときわ目を引くブルーの門柱は櫛引仕上げと呼ばれる技法で仕上げました。櫛引仕上げは塗装材が完全に乾く前に、歯型のついた櫛目鏝で筋目を入れた仕上げのこと。職人の腕と感性が光る技法です。その日の気温や天候などの加減もあります。それらの要素を考慮しながら、丁寧に櫛引を行なっていきます。
こうして出来上がった門柱は、単調なイメージにならず、景観に動きが生まれました。壁面を一度平らにしたあとで、再度櫛形を引くので、ちょっと手間がかかる技法ではありますが、この少しの演出が外観の印象を大きく変えてくれるのです。櫛引仕上げをしなくても成立するかもしれないデザインも、この仕上げを行うことで、壁面に陰影が生まれ、重厚な雰囲気を醸し出します。
櫛引仕上げの門柱には、佐野様がつくられた表札を取り付け。今回のエクステリア工事になくてはならない、大切なキーパーツです。淡いグラデーションが、濃い青色の門柱とマッチしています。手づくりのもので、より愛着が湧くエクステリアになりましたね。
アコーディオン門扉やフェンス、門扉などで使用した金物は全てシャイングレーをチョイスし、アーバンな雰囲気を表現しました。開放感が感じられるファサードは、門扉をしっかりと閉ざせば安心感を得られます。正面は化粧ブロックとアコーディオン門扉を使い、外観はクローズエクステリアに仕上げました。化粧ブロックはシャイングレーの門扉とも馴染みの良いグレーを選択。
アプローチには蓄光性のライトを埋め込み、夜は足下をほんのりと照らしてくれます。勝手口から敷地外を結ぶ通路も防犯面を考え、門扉を設置しました。施錠も可能なので、セキュリティ面もバッチリです。7段積みの化粧ブロックは高さがあるので、圧迫感が出てしまいますが、ところどころに円形の化粧ブロックを用いて圧迫感を軽減させています。和テイストとスタイリッシュなアーバンテイストが融合したクローズエクステリアに姿を変えました。
企画段階から工事完成までの9か月近くの長期に渡り、注文の多いクライアントにつき合って頂いた癒樹工房様には大変感謝しております。まとめとして4点の感想を整述させて頂きます。
◎オリジナルなデザインにこだわる小林様との共感
小林様の見本プランのご提案をもとに、直線と曲線のラインを活かしたオリジナルなデザインで仕上げることが出来ました。冠木門を意識した門構え、化粧ブロック積みの一本の長い横板、隣地の目隠し横版で直線を強調しました。一方、化粧ブロック積みの円形ブロック、玄関アプローチの埋め込み式、庭土留のピンコロで曲線をアクセントとすることが出来ました。すべてオリジナリティへの共感から生まれたものです。
◎造園のセンスと丁寧な仕上げの増田様への信頼感
図面で描いた曲線ラインでも施工が命です。お世話になった増田様は造園が専門であり、このセンスは抜群でした。また、化粧ブロック積みの天端仕上げなど一つ一つが丁寧であり、カースペースの目地幅を10cmから6cmに狭くする注文にも挑戦して頂き、ベストな職人さんに恵まれ大変感謝しております。
◎思わぬ苦難続きを乗り越えて頂いたお二人への感謝
順調に完成するかに思われた工事に、次々と苦難が降りかかりました。冠木門の高さ、カーポート門扉や勝手口門扉まわりの高さ、表札の遅れなど、お二人には意に添わないことも多々おありだったと思いますが、結果手直しを快諾して頂き無事完成いたしました。感謝の念が尽きません。基本プランから施工をつなぐ設計段階の調整が不足だったと反省しております。今では逆に思い出深いものになるのではと思っております。
◎これからの我が家の家づくりと癒樹工房様への期待
我が家の外構はお蔭様で土台が整いました。幸い手づくりの表札は、拙い焼き物ですが、家の入口に温かみを感じるものとなっています。これからは、季節毎の陽射しの様子や水はけなどを観察しながらゆっくりと庭木や草花を植えて、生き生きとした趣のある庭にしていきたいと思っております。
癒樹工房様には、オリジナルなデザインと造園のセンスを大切にした外構の成果を増やしていって欲しいと思います。そのためにも、設計をしっかり組み入れていけば、鬼に金棒となることと思います。増々のご発展を期待しています。
佐野