斜めに切り取った広々カースペース

車通りの多い道路の前に建つ中野様邸は駐車場の切り取り方に工夫を凝らしました。道路に対して垂直に駐車スペースをつくると駐車できる車の台数が少なくなり、デッドスペースが生まれてしまいます。車の往来が激しい通りなので、駐車しやすさを考慮し、駐車場はあえて斜めに切り取りました。空間を斜めに使うことで間口が広くなり、駐車しやすくなっています。またご家族の車だけでなく、来客用の駐車スペースも確保。お客様が来られた時も安心してお車を駐車できますね。駐車場の奥は駐輪スペースに。通りに面していますので、盗難防止のため駐輪スペースは奥につくり、サイクルポートには車止めバーを取り付けました。車止めバーに自転車を固定すれば、盗難抑止効果を期待できます。
駐輪スペースにもライトを設置し、夜でも自転車を出し入れしやすくしています。

シンプルながらも存在感を放つデザインウォール

前面の道路から目隠しするため、デザインウォールを造作しています。道路側に面した部分は表札やインターホン、ポストを一体化させたステンレスのアイテムに、濃いブラウンのタイルを合わせ、シンプルでありながら印象的なデザインにしました。中野様もお気に入りのポイントです。デザインウォールは通りを歩く人から敷地の中が見えないよう、視線をカットする高さにしています。高さのある壁でも圧迫感が出ないように、スリットやガラスブロックを入れ、軽やかさをプラス。そしてデザインウォールの間に挟んだ枕木ポールによって、目隠しをしながらアプローチのデザインを強調します。玄関前の部分は塗り壁仕上げですが、枕木ポールからお庭側、また道路側はスクエアなデザインの化粧ブロックで壁をつくり、目隠しにしています。このように、ファサードだけデザインを変えることで、アプローチ部分がより際立つ存在に。またアプローチのステップはＬ字型にして、道路側からも駐車場側からも出入りが出来るようにしました。デザインだけでなく機能性も追求したエクステリアです。夜はステップに隠したバーライトとポールライトで安全な歩行が可能です。

タイルテラスは外壁に合わせた落ち着きのあるトーンに

猫ちゃんを飼っておられる中野様のご要望で、猫ちゃんと楽しめる中庭をデザイン。中庭は落ち着いた色のタイルでつくるテラスを中心に、花壇スペースなど見所を設けました。タイルは外壁やファサードに使用しているブラウン系のカラーと馴染みが良いので、エクステリアに一体感が生まれます。タイルテラスの一角に造作した花壇の周りは白いタイルで囲いました。植栽は管理が大変…というイメージがあるかもしれませんが、お手入れしやすい樹種を選択したり、植栽スペースを絞ることで、お仕事で忙しい方でも綺麗な状態を保つことができます。最近の研究では、自然を眺めることで幸福度や創造性、集中力もアップすることが分かっています。「植木やお花は管理が大変だからいらない」と思うのは実はもったいないことなのです。こうした自然の恩恵を享受できる環境をガーデンスペースにつくることは、見た目の華やかさだけでなく、精神面にも良い影響を及ぼします。中野様邸では、ふと眺めた先に自然を感じられるように、大きな掃き出し窓から見える位置に花壇を配置。縁側に腰をかけて、お庭を眺めるのも癒しの時間になることでしょう。縁側は前面の道路から見えないよう、デザインウォールで隠しているので、くつろぎの時間を心ゆくまで楽しむことができます。縁側で猫ちゃんと一緒にくつろぎながら、お庭を愛でる時間は極上のリラックスタイムになりそうですね。