地域とつながる魔法のデザイン～「色の統一感」と「外周の透け感」

アイボリーにブラウンをアクセントにしたナチュラルテイストの建物。外構にもその色味を確実に取り込むことで、まるで建物と同時に計画したのではないかと思う程の一体感。石材、タイル、アルミと異素材を隣合わせて使用しているにもかかわらず、色味を揃えることで統一感が生まれ、自然な景観となっています。
外周にはスリットの幅にこだわった木調板フェンスや角柱、ポリカ板といった程よい透け感のある素材を選ぶことで、クローズ外構でありながらも閉じすぎない柔らかな印象です。建物と街を緩やかに繋ぐとともに、お施主様の地域にオープンな気持ちが伝わり、地域との繋がりを意識した優しい雰囲気になりました。

メンテナンスフリーを叶えた集いのガーデンリビング

ご要望にありました「メンテナンスフリーなお庭」は「タイルテラス」と「人工芝のガーデン」の２つにゾーニングし、ご家族が有意義に過ごせる空間となりました。
お部屋の床と高さを合わせた広々としたタイル貼りテラス。ガーデンルーフにはリクシルのココマを採用。夏の日差しを遮り、まるで木漏れ日を感じさせるような柔らかな光を取り込み、心地よい空間となっています。サイドにはポリカ素材を採用し、閉じすぎない空間にすることでリビングへの採光にも考慮された設計です。お部屋と繋がるセカンドリビングの完成です。
「子供を安全に、親の目の届くところで、自由に走り回らせ遊ばせたい。転んでも痛く無い、汚れない。でも土のままだと雑草が…草むしりはできたら避けたい…。」そんな思いに寄り添ったアイテム「人工芝」のガーデンではお子様がのびのび遊ぶ様子が目に浮びます。
ご家族やご友人を招いてのバーベキューやホームパーティー、夏はプールを出してお子様と水遊び。夜はライトアップされたムード溢れる空間でしっとりとご夫婦の晩酌タイム。目隠しをすることで、人目を気にしないお庭の活用方法が一気に広がりました。

リズムを感じる目隠しフェンスとおもてなしの心

目隠しフェンスには水平ラインを出すリクシルのリアル木調板をメインに、垂直ラインのアルミ角柱をリズムよく挟みこみ、テンポよく繰り返されるデザインの心地よさがあります。例えばジャズのアドリブソロでは、モチーフとなるフレーズを繰り返すと場が盛り上がります。お庭にも音楽にも人が心地良いと感じるシーンは共通し、人に見せる外構としての工夫が凝らされています。
また、アプローチにもおもてなしの心がたっぷりと詰まっています。乱形石の舗装にボーダー自然石タイルの門袖。石材をふんだんに使用する中でもベージュ系の色味にこだわり、統一感を持たせたことで高級感がある優しい雰囲気となりました。
そして、隅切り部分に向けて広がる様に引かれた緩く弧を描くアプローチライン。２方向の通りそれぞれからアクセスしやすく、開口を広くとることで奥行きを感じさせるデザインとなっています。
またインターホンの前に立った時、シンボルツリーのグリーンがアイストップとなり、訪問される方の心を和ませます。さらに玄関方向に目を向けるともう一方の門袖のアイアン表札が目に留まります。まるで門袖をキャンバスにみたてサインを書き上げたかのようなスタイリッシュな切り文字表札。門袖の余白が生かされ、全体をピリッとひきしめるアクセントになっています。

「お帰りなさい」の光とフェンスから溢れるアートライクな陰影

夜、帰宅した家族がほっとできる温かみのあるライティング。門袖やアプローチにしっかりと光を配置し、安心感をあたえます。
門袖にはダウンライトを施すことで、石の凹凸に陰影がつき、昼とは違うムーディな表情を見せてくれます。シンボルツリー周りはアッパーライトで光を当てることで木の陰影を映し出し、空間の広がりを表現しながらも、アプローチの明るさを確保しています。
テラスにはダウンライトの光をシェードの上から落とすことで、月明りのような柔らかさを感じさせ、光をテラス空間にためることで夜もゆったりとくつろげるプライベート空間を演出しています。
目隠しフェンスのスリットからこぼれる光のラインは、シャープで繊細な切り絵を感じさせるアートライクな陰影です。夜の見せ方も計算された設計となっています。