素材の美しさが際立つプライベートガーデン

住まいの中心に位置する中庭は、ご家族だけの時間を静かに包み込んでくれる大切な場所です。今回のリフォームでは、“室内と自然がやわらかにつながる庭” をテーマに、建物の雰囲気に寄り添いながら上品なプライベートガーデンをデザインしました。
床面には大判タイルを採用し、フラットで奥行きのある空間を演出。陽ざしが差し込むと淡く光を返し、晴れの日はもちろん、曇り空の下でも落ち着いた明るさを保つ魅力的な素材です。
中央の植栽帯は、四季の移ろいを楽しめるよう高さや樹形に変化をつけました。株立ちのハイノキは軽やかな枝ぶりが特徴で、風にそよぐ葉音が中庭の静けさを一層深いものにしてくれます。御影石で仕上げた花壇は、重厚感の中にも柔らかさが漂う上品な仕上がりです。植栽の緑と石材の深い色味が美しく調和し、どこから眺めても“絵になる景色”をつくり出します。
また、椎名様が大切に育ててこられた鉢植えやガーデン小物も、中庭全体の雰囲気に自然となじむよう再配置。新旧が調和した温かみのある空間となりました。照明は控えめな演出に留め、明るさではなく“陰影”を楽しむ構成に。夜になるとタイル面と植栽の輪郭がほんのり浮かび上がり、昼間とは違う、静かな余韻を感じる中庭に変わります。
家族の時間がゆっくり流れるような、穏やかで心地よい中庭空間。
“そこにあるだけでほっとする場所”を目指して、素材選びから光の配置まで丁寧に整えたリフォームデザインです。

灯りがやさしく包む、穏やかなナイトガーデン

外構の魅力を最大限に引き出すのがライティング。明るさではなく“光の質”にこだわり、必要な場所に必要なだけの明かりを配したことで、ご家族の暮らしに寄り添う安全性と美しさの両立を目指しました。
タカショーのリングフラットライトは、足元を柔らかく照らす控えめな光が特徴。中庭全体を照らしすぎず、タイルの陰影が自然と浮かび上がります。フレキシブルLEDバーは視界に直接眩しさを感じにくい設計で、植栽や石材に沿わせると、立体的な光のラインが浮かび上がり、夜の庭に奥行きを生み出してくれます。
さらに、アップライトは樹木の高さや枝ぶりを計算して角度を調整し、壁面に落ちる影が美しく伸びるよう施工。光と影がつくるリズムが、まるで一枚のアートのような雰囲気をつくり出します。日中の爽やかな庭とはまったく違う、静かで上質な“ナイトガーデン”をご家族に楽しんでいただける空間です。