光差し込むリビングと広々としたデッキ空間で送る豊かな生活

「ウッドデッキの拡張。それは考えた事もない奇想天外で半分喜び、半分本当？という提案でした。」
そう、このデッキの拡張こそが多くの問題を一度に解決できる画期的なアイディアだったのです。
デッキの先の目隠しフェンスでしっかりと通りからの視線を遮ることで、安心してカーテンを開けることができ、お部屋の日当たりを確保できるようになりました。南側のデッキに並べられた沢山のお花の鉢植えは、燦燦と降り注ぐ太陽の光をたっぷり浴びて元気に育っています。そんな大事な光をお部屋の中に導くことができたことこそが、このプランの一番の成功ポイントではないでしょうか。
他にもリビングとの段差を無くしたデッキを延長させたことで、お庭とリビングがフラットでアクセスしやすく、日常使いができるスペースになったことと、既存のサンルームまでルーフのある空間としてつなげることで天候に関わらず庭側からも行き来できるようになったことでお庭がリビングと一続きの大空間となり、光の差し込む開放的な広々としたリビングを叶えました。

庭にあった飛び石を使ってステップを踏むように進めるアプローチに

アプローチの舗装にはお庭にあった既存の飛び石を使用しています。水栓付きの壁下スペースも正円の土間打ちで仕上げ、飛び石の正円を活かした統一感のあるデザインになっています。まるで地に表された水玉模様のようでステップを踏む様に楽しみながら歩みを進められそうです。
また、門袖から建物にかけて配された3枚の白壁。玄関やリビングの目隠しの役割だけでなく、空間に奥行きを持たせる効果もあります。壁の前に植木を配し、風にそよぐたび、壁に映し出されたその影もゆらゆらと動きます。そんな心地よい緑を感じながらアプローチ階段を上るとポンポンとリズミカルに並ぶ飛び石が目に留まり、訪問者に「この先には何があるのだろう」という期待感を持たせます。旗竿地特有の長いアプローチを楽しませる工夫が随所に散りばめられ、歩くたび景色の変化を感じられるワクワクする庭空間となりました。

五感で感じる植物で地域に緑のお裾分け

お庭の緑は建物をメイクアップし引き立てます。管理の面を考えて、多すぎず少なすぎない程よい量感の植栽計画が大切です。竹内様邸の場合、アプローチ、南側通り沿いと敷地の所々に散りばめられた、そんな程よい量の植栽空間が設けられています。
緑は施主様だけでなく、地域に住む方々にも気持ちの良い景色を提供し、感じの良いお家、という印象を与えます。特に南側の植栽帯は外庭として、通りかかる人に緑のお裾分けをしているようです。
また、落葉樹は葉を落とすため、管理に多少手間もかかり嫌厭されがちですが、竹内様邸の様にアオダモや桜など落葉樹を避けることをせず、常緑樹に混ぜて植えることで、春の芽吹きや秋の紅葉と四季を感じる楽しみが生まれます。
フェイジョアなど実のなる木は、収穫し、ジャム作りなどの楽しみがあります(味覚)。そして、鳥を呼び込み、鳥のさえずりや風に揺れ、木の葉のこすれ合う音に耳からの癒しをもらえます(聴覚)。葉の隙間から降り注ぐ木漏れ日(視覚)。施主様が丹精込めて育てられている花々は香り豊かで（嗅覚）、日々、触れ合うことで成長の喜びも感じられますね(触覚)。五感で植物を身近に感じながら、「人は自然に生かされているんだなぁ」と、そんな人間本来の感覚が呼び起こされるようです。

お庭にあるものを丁寧に見つめ考え抜かれたデザイン

お庭にある既存の飛び石や桜、西側のデッキにサンルーム。竹内様邸では今あるものを最大限に活かし、利用した計画が特徴的です。既存利用はコスト削減という観点だけではなく、以前からのその場所の個性を残し、継承させることにも繋がり、住む人の庭への愛着を深めてくれます。
また、変わらぬものといえば土地の形状です。竹内様邸の場合①旗竿地であること。②建物の採光の頼りになる南面は通りに面していること。この２点が大きな特徴として挙げられます。旗竿地特有の長いアプローチであるからこそカーポート屋根を作ることができ、いくつもの場面の切り替えを設けた楽しい動線を作ることもできました。南面もフェンスと植栽の取り合いの工夫で感じの良いお家を演出でき、たっぷりの太陽の光を取り込むことができました。