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ブルーベリー

ブルーベリー(ツツジ科 スノキ属 落葉小木)

甘酸っぱい実だけでなく、花や紅葉も楽しめる!
庭木としても育てやすい果樹

ブルーベリーというと、あの紫色の甘酸っぱい実を思い浮かべる人が多いと思いますが、庭木としても魅力的な特徴がたくさんあるのをご存知ですか?
何よりまず知って欲しいのが、その育てやすさ。条件さえ整えばあれこれ手を焼かなくても実をどんどん付けてくれます!そして意外と知られていないのが、春先に付ける白く可愛らしい花、そして葉を真っ赤に染める秋の紅葉。
枝先に吊り下がる小さな花は愛らしく、新緑とのコントラストも鮮やか。そして寒さに当たって秋が深まると、他の圧倒するほど葉を深紅に染めて冬の訪れを知らせてくれます。
それぞれの季節を経て、移り行く姿はドラマチックなほど!
「果樹は育てるのが難しそう…」と敬遠する前に、実を付けやすい条件や適した環境を知って、楽しみながらブルーベリーを育ててみませんか?

ブルーベリーってどんな木?我が家にも植えられる?

ブルーベリーは北米原産の落葉低木。樹高は2~3mと庭木としてはお手入れしやすいサイズ感です。原産地からわかるように、本来はあまり猛暑や蒸し暑さは得意ではありませんが、系統によっては南は沖縄まで栽培可能な品種もあります。
その一方で厳しい寒さが苦手なものもあるので、手始めに暑さ寒さに強い系統を掴んでおくとよいでしょう。

まず園芸店などに見に行くと、実が大きいもの、甘味が強いもの、実付きの良いもの等など…あれこれ悩んでしまうほどバラエティ豊富な品種が目に飛び込んできます。選択肢が多いのは良いのですが、その地域の気候に合わないものが売られていることも多々…!
また、ネット等での通信販売は全国どこでも購入が可能なので、自分の住まいのある地域に適した品種をよく知った上で選びたいところです。

その品種は大別するとハイブッシュ系とラビットアイ系という二つの系統に分けられます。

ハイブッシュ系の品種は耐寒性があり、ラビットアイ系は耐暑性が高い一方で厳しい寒さに弱いことで知られます。
その見分け方は色々ありますが、ハイブッシュ系の葉は一見、常緑樹のような厚みと艶があります。ラビットアイ系の葉は、新芽が青みがかって白濁した黄緑色でより繊細な雰囲気です。

押さえておきたいのが、受粉樹の必要性です。ブルーベリーは自家不和合性の品種が多く、確実に果実を収穫したいのであれば、もう一本、別の品種を植える必要があります。
さらに気を付けておきたいのが、受粉樹は同系統の中から選ばないと結実しないことが多いという点。

例えば、ハイブッシュ系は一本でも受粉して実を付ける品種もありますが、実付きの良さや実の大きさを期待するのであれば、同じハイブッシュ系統の受粉樹を植えた方が収穫は確かなものになります!
一方、ラビットアイ系は一本では受粉しにくいため、同じラビットアイ系から受粉樹を選ぶ必要があります。

ハイブッシュ系は6月から7月半ば頃、ラビットアイ系は7月半ばから8月頃下旬頃まで実を楽しめますので、お住まいの地域が適していれば両方を二本ずつ植えて長く収穫を楽しむのもいいですね。

ちなみに、ハイブッシュ系の中にはさらに、これからご紹介するアメリカ北部のノーザンハイブッシュと、耐暑性を高めるために品種改良された南部のサザンハイブッシュという2つに区別されます。
ホームセンター等で迷わないためにも、「ハイブッシュ」と明記されていたらサザンなのかノーザンなのか?もよくチェックしてみて下さいね。

新芽が繊細な雰囲気のラビットアイ系(左)
葉に艶があるハイブッシュ系(右)

東北や北海道など東北以北に住まいがある場合

-20℃前後の耐寒性があるノーザンハイブッシュ系
休眠期に寒さに当たらないと翌年の春に旺盛な生長が望めない性質もあり、とても耐寒性が強く、むしろ関東以西などの暖地には向きません。
ハイブッシュ系は果実が大きく舌触りもなめらかで生食向き。人気も高く品種も最も多いため、「ハイブッシュ」というとこのノーザンハイブッシュを指します。

関東、関西、九州、沖縄など関東以西にお住まいがある場合

温暖な地域でも栽培できるように改良されたサザンハイブッシュ系
ノーザンハイブッシュより酸味が少なく、風味が良いとあって、近年人気の高まりを見せ、品種改良が盛んに行われています。
ただ、新品種は栽培実績が少ないだけに栽培が難しく初心者には向いていないとも言われます。

蒸し暑い環境にも耐えるラビットアイ系
こちらも関東以南に住まいがある人におすすめです。果実も甘く実付きも良いのですが、少し皮の厚みやざらつきが感じられます。育てやすさの面では初心者向きといえます。
幼果がまるでウサギの目のように赤く色鮮やかに染まるのも特徴です。

こちらは先述したように単木では自家受粉しにくいので、同じラビットアイ系の中で別の品種を受粉樹として近くに植えてあげましょう。ウサギの目のように果実が赤くなるラビットアイ系

ブルーベリーを育てるなら、どんな土壌改良をすればいい?

ブルーベリーの植え付けは休眠期の11月~3月頃の厳寒期を除いた時期に行います。
その土壌というと、酸性土が適していることはよく知られていますね。
酸性とは具体的にはPH5前後と強酸性。先にご紹介したハイブッシュ系・ラビットアイ系という二つの系統によっても、実は少し酸性度合いが異なり、ラビットアイ系の方が弱酸性に近い土壌を好むので、酸性への土壌改良にはそれほど手間がかかりません。

酸性土に土壌を改良するためにもっとも簡単なのは、植穴を掘ってからブルーベリー用にあらかじめ酸性土に改良された培養土を使ってしまう方法。もちろん、ピートモスという酸性に近づける水苔などを漉き込む方法などもありますが、土壌のPH調整は簡単ではないので、こうした市販品に頼ってしまえば間違いありません!

ただ果樹園のような豊作を求めるのであれば話は別ですが、庭木として育てるのであれば、実はブルーベリーは病害虫も少なく、ほとんど手がかからない木。余程のアルカリ性土壌などでない限り、よく育ってそれなりに実を付けてくれます。
日本の宅地でいえば、長く放置されていた土地ほど酸性に近づいているため、あまり神経質に土を掘り返して色々すき込まなくても、水はけの改良を行っておく程度で元気に育ってくれます。

選択ポイント その1

☆土壌のPH調整など、まめに栽培を楽しめるタイプならハイブッシュ系がおすすめ
☆できれば栽培に手間を掛けたくないタイプであれば、ラビットアイ系がおすすめ

ブルーベリーを植えるなら、
系統や品種によっても異なる樹形を事前にチェック!

ブルーベリーの樹形というと、園芸店で見るような1~2年苗の姿からでは先が想像しづらいのでのですが、品種によって雰囲気は大分異なります。
ハイブッシュ系は比較的、コンパクトで上品なたたずまい。対するラビットアイ系は枝ぶりが細かく野性的でナチュラルな雰囲気です。庭木としてはラビットアイ系の方が情緒のある樹形なので景観に馴染みやすいのですが、それなりに幅を取ります。

成長したラビットアイ系の枝ぶりは自然な雰囲気

もしこちらの方を選びたいけれど、スペースがあまり無い…という場合は、ブルーベリーは根が浅く張る「浅根性」なので、もう一本をプランター栽培にするのもおすすめです。
植え付けは今の根鉢より一回りほど大きなプランターに、ブルーベリー用の培養土で行います。玄関前などに置けば、季節の移り変わりを身近に感じさせてくれますよ!

逆にハイブッシュ系は大人しい樹形のものも多いので、あまり植栽スペースがない場合はこの系統を二品種選んでみると良いかもしれません。

選択ポイント その2

☆枝ぶりが風情があって少しスペースに余裕があるならラビットアイ系
☆ベランダなど小スペースでコンパクトに楽しみたいならハイブッシュ系

ブルーベリーの近くに植えられる酸性土に向いた植物や低木はある?

ブルーベリーを中心に色々寄せ植えしたり、花壇の株元などに色々な低木を植えたいけれど、酸性土では枯れてしまいそうで心配…という声をよく聞きます。
でも大丈夫。酸性土が好きな植物や灌木類は意外と色々とあるものです。
例えば、ブルーベリーと同じツツジ科の「カルミア」や「アセビ」なども酸性土を好むため、近くに植えることができます。
ブルーベリー自体は半日陰から日向を好みますが、カルミアは華やかな花を咲かせてくれる日向が好きな常緑低木。植栽地が明るい場所であれば、どちらも良く花を付けてくれるでしょう。
一方、アセビはそこまで光を必要としませんので、植栽地が半日陰程度の環境の場合はアセビの方が向いているかもしれません。
また科は異なりますが、ミカン科の常緑低木「サザンクロス」なども酸性土を好みます。小さな細い葉がブルーベリーとはまた違った雰囲気なので、視覚的にも変化のある寄せ植えができそうです。

草花では、常緑多年草のフランネルフラワーも酸性土が向く植物。プランター栽培であれば低木よりも小さく収まってくれるので、寄せ植えしてみると根本に華やかさをプラスできます。

それぞれ、ここでご紹介した植物や低木は常緑性なので、ブルーベリーの葉が落ちても葉を残して冬場の寂しさを軽減できますよ。カルミア(常緑低木) (左)
フランネルフラワー(常緑多年草) (右)アセビ(常緑低木)(左)
サザンクロス(常緑低木)(右)

なぜかいつまで経っても実が付かない…という時は系統を確認!
それでもダメなら人工授粉にもトライしてみよう!

ブルーベリーは受粉を蜂などによって行う虫媒花。そのため、受粉樹はなるべく近くに植えた方がより成功しやすくなります。ところが、残念ながらせっかく二つの品種を近くに植えてみたけれど、実が付かない…というお悩みも。
よくあるのが、系統が違う品種を二種植えてしまっているケース。

ハイブッシュ系とラビットアイ系を跨いだ受粉は上手くいかない場合が多いので、それぞれの系統内で別の品種を植えるようにしましょう。最初に造園屋さんが植えてくれたので何の品種かわからない、という場合は先述したような葉の照りや熟した実の色合いなどで見分けて確認してみて下さいね。
画像で見てもよくわからない…という場合、一番手っ取り早いのはホームセンターなどで両品種を実際に見比べてみるとハッキリと違いがわかります。

また、マンションの高層階のベランダなどではなかなか花粉を媒介してくれる蜂などが訪れず、うまく受粉できないこともあります。

通常ブルーベリーは蜂などが受粉を手助けしてくれる虫媒花ですが…

その疑いがある場合は、人工授粉にチャレンジしてみる方法もあります。人工授粉というと、なんだかプロの園芸家のようでハードルが高い気がしますが、使うツールはたった2つ。一つは白い梵天「ぼんてん」(綿のようなふわふわした部分)が付いた耳かきと、暗い色のお椀か小鉢があればOKです。

梵天(ぼんてん)の部分を使ってブルーベリーを人工授粉してみよう

4月頃に付いた釣鐘型の白い花の下にお椀を用意し、花をトントンと軽く振って花粉を落とします。
それを梵天の部分で軽くなでて花粉を付けたら、受粉したい木の花の中へ挿し込む→この繰り返しを行います。
みかんやレモンなど雄しべや雌しべが露出している花の場合は筆などでも簡単にできますが、ブルーベリーの花はすぼんでいるので、この「トントン」と梵天が活躍するわけです!
ぜひ気軽な気持ちでトライしてみて下さいね。

たくさん実が付いたら美味しくいただきましょう!

6月から7月にかけてブルーベリーの枝に淡い薄紫色の小さな実が付いてきたら結実は成功です!実の色が黄緑色から紫に移り変わり、黒っぽく熟してきたら、鳥に食べられてしまう前に収穫してみましょう。

たわわに実った実をそのままつまんで食べたい、ヨーグルトなどに入れてプレーンで味わいたいのであれば、やはりハイブッシュ系です。
ハイブッシュ系の栽培はラビットアイ系と比較して酸度調整など栽培に少し手がかかりますが、その分、生で美味しく味わえる醍醐味が感じられるはずです!

ハイブッシュ系おすすめ品種

ノーザンハイブッシュ

☆”デューク” 寒冷地に適した品種。甘味・酸味の調和が取れた果実はとても大粒!
☆”ジャージー” 土壌適応性が高く育てやすいことに加え、豊産性が高い

サザンハイブッシュ

☆”オニール” 瑞々しく甘味が強いため生食にぴったり
☆”サファイア” 甘味と酸味のバランスが良いのでヨーグルト等に入れても美味しい

生食でも口当たり滑らかなハイブッシュ系

ブルーベリーをジャムに加工したり、乾燥させてマフィンに入れたり…といったひと手間を掛けて楽しみたい、という場合は少し皮が厚いものの栽培が簡単なラビットアイ系がおすすめです。
品種によっては大量に収穫が望めるものも!先述したように暑さにも強く土壌改良もあまり必要としないので、気軽に植えっぱなしにしておいてお菓子づくりに時間を使ってみてもいいですね。

ラビットアイ系おすすめ品種

☆フェスティバル 大き目の果実は甘味も強い、樹勢が強いので育てやすい
☆ティフブルー 酸味の強い果実をたくさん付けるので焼き菓子等にも!

大量に収穫してジャムやマフィン等に加工も楽しいラビットアイ系

選択ポイントその3

☆そのまま生でつまんで食べたい!ならばハイブッシュ系
☆果実をジャムにするなど、ひと手間かけたいならラビットアイ系

どの品種にするか決め手に欠ける…という場合は果実をどのように楽しみたいか?でお好みの系統や品種を選んでみるのも良いかもしれませんね。
他にもたくさんの品種がお店やネットでも紹介されているので、じっくり探してみて下さい!

 

いかがでしたか?ブルーベリーというと、これまでは「目に良い」とか「アントシアニンが豊富」といった果実のイメージだけだった方も、これを機に庭木としても育てて楽しく季節感も楽しめる木であることがおわかり頂けたのではないでしょうか?
環境が合えばとても強靭に育ってくれるので、ぜひご自宅のお庭にも適した系統やお好みの品種を選んで、受粉樹と一緒に植えてみてくださいね。

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