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エゴノキ

エゴノキ (エゴノキ科 エゴノキ属 落葉高木)

枝いっぱいに咲き誇る清楚な花は清涼感でいっぱい!
初夏の訪れを告げる木

5~6月頃、白い花が枝に吊り下がるように一斉に咲き誇る木、エゴノキをご存知ですか?
風に揺れるその姿は清涼感たっぷり!
欧米でも広く「ジャパニーズ・スノーベル」という愛称で親しまれているこの木、山に自生しているような自然で風情のある樹形、枝ぶりは、和風の庭にはもちろんのこと洋風、モダン、和モダン…テイストを選ばず、どのような建物にしっくり馴染みます。
暑さ寒さにも強く、美しい樹形が保ちやすいため、シンボルツリーはもちろんのこと公園樹など公共スペースにも人気の木です!
お庭に爽やかで季節感を感じさせてくれる木を…とお思いでしたら、ぜひおすすめしたい一本です。

エゴノキの名前の由来にもなった果実は
日本人の暮らしに根付いたエピソードがいっぱい!

エゴノキは朝鮮半島や中国のほか、国内では北海道から九州、沖縄まで日本全域の山や雑木林などに自生しています。初夏、山歩きなどしてみると意外と簡単にこの白い釣鐘状の小花が咲いている様子を見つけることができるかもしれません!

白い花の後には可愛らしい黄緑色の実が一斉にぶら下るように付き、また違った景色を作り出します。この果皮には「エゴサポニン」という物質が含まれており、若い実を水の中ですり潰すと白く濁って泡立つことから各地で石鹸の代わりとして使われて来ました。
これが現代の石鹸ほど汚れをきちんと落とせたかどうか?はわかりませんが、各地では「しゃぼんの木」とか「石鹸の木」「サボン」といった呼び名も!
エゴノキ」よりもちょっと可愛いらしい愛称にも感じられますね。また、この実は見た目どおり、硬く虫に食べられにくいため、昔の人はお手玉に入れて使っていた、という話もよく聞かれます。

このように日本人の生活にも広くさまざまな用途で使われてきた果実ですが、一方で「エゴ」という名前の由来にもなっているように、口に入れるとエグみがあり、魚毒性があることでも知られます。今は禁止されていますが、この濁った水で魚を麻痺させて捕獲する漁の方法もあったとか。ただ、その麻痺した魚を普通の水に戻すと息を吹き返すそうで、毒性は弱いという話もあります。
とはいえ、お子さんやワンちゃんなどが誤飲する可能性もあるので、植栽にあたっては配慮は必要でしょう。
また、メダカや鯉など生き物を飼う池の近くへの植え付けは避けた方がよいかもしれませんね。

名前の由来ともなったエゴノキの実、ゆらゆら揺れる姿が可愛らしい!

エゴノキの実が大好物!なヤマガラをお庭から眺められるかも

そんな特性がちょっと悩ましい果実も、それを大好物とするヤマガラにとっては無くてはならない存在です。「え?毒性があってエグみもあるのに大丈夫なの?」と、びっくりする人もいそうですが、実はヤマガラはエグみのある皮を両足で押さえてコツコツ!と割り、中の実だけを食べるのだとか。皮の中の実のおいしさを知っているのは器用な技を身に着けたヤマガラの特権、かもしれませんね。
ヤマガラはこれを一気に食べるわけではなく、冬場に備えて地面の落ち葉や木の根元などに隠しておいてヒナなどにも食べさせるようですが、なぜか完全には平らげないのだとか。隠したのを忘れてしまうのか、それが自分のためだとわかっているのか??
殻から取り出された実は発芽率が良く、春には新芽が出て次の命に繋がって行きます。つまり、エゴノキとヤマガラはお互いに助け合う関係だということがよくわかりますね!

ヤマガラは比較的、警戒心が薄く人懐っこいことで知られる野鳥なので、エゴノキを植えれば、お庭からでもその実をついばむ姿を眺めることができるかもしれません!

エゴノキの実を器用に食べる姿が意地らしいヤマガラ

植え付けるならどんな場所がいい?
自然な樹形を活かしたスペースを確保しよう

野生では樹高10m近くになるエゴノキですが、一般住宅の庭では4~5mほどでとどまります。気を付けたいのが、2m前後の若木を植え付けると樹勢が勢いを増してしまうこと。それを慌てて剪定すると強く枝が吹き、樹形が乱れてしまうことも。
そもそも生長がゆっくりと言われるエゴノキですが、選ぶサイズ感としては、3m前後の整った樹高の木を植え付ければ、余計な手を入れることなく、ゆっくり生長してくれます。

また植え付けスペースとしては、幅をある程度は確保したいところ。エゴノキの樹形を見るとよくわかりますが、まるで両手を大きく広げるように枝が広がります。
周囲に軒や柱などがあると、枝を伸ばせず、その部分は枝枯れしてしまうことも。同じようなヒメシャラやヤマボウシもそうですが、山に自生する木はどうしても自然樹形を保てなくなると不自然なスタイルになりがちです。少なくとも今の葉張り(枝の先端から先端までの幅)×1.5倍ほどのスペースを確保して植え付けましょう。
エゴノキは緑陰樹としも優秀なので、葉張りを活かした場所に植えてあげれば、テラスやウッドデッキに涼しい影を落としてくれます。小さな葉がお庭に落とす木漏れ日は見ているだけで涼しげです。

また、もともと山地に自生しているエゴノキは極度の乾燥と直射日光は苦手です。夏の西日は特にストレスに。あまりに強い日差しを受けると、秋、黄葉もせずに黒ずんで落葉してしまいます。またコンディションによっては枯れこんでしまうこともあります。
ベストは東からの光がよく当たる、風通しの良い半日陰です。なるべく水はけの良い土に改良して植え付けてあげれば元気に育ってくれるはずです。

エゴノキの選定・植え付けポイント

  • あらかじめ樹高3m前後の整った樹形の木を選ぼう
  • 自然樹形をキープするため、幅は今の葉張り×1.5倍は確保しよう
  • 夏の西日を避けられる半日陰がベスト

エゴノキのおすすめ樹形・品種

エゴノキはとてもナチュラルな樹形なので、幹が1本だけの単幹、数本株元から出ている株立ち、どちらでも自然な雰囲気を感じさせてくれます。広いお庭であれば、メインツリーとして枝を存分に伸ばせる単幹の木を一本だけ植えるのも素敵です。
玄関先であれば、なるべくほっそりとした株立ちの木を植え付けてあげた方がシルエットを保ちやすいでしょう。

品種としては、ピンクの花が可愛らしい「ピンクチャイム」(別称「アカバナエゴノキ」)が人気です。白花と比べても樹形も花付きもほとんど変わらず、白花以上の華やかさが感じられます。とても人気のある品種で広く流通しているので、もう少しお庭に彩りが欲しいのであれば、こちらを選んでみるのもいいですね。

淡いピンクの花がかわいい「ピンクチャイム」

自然な樹形を保ちたいけれど、剪定はどうしたらいい?

ナチュラルな庭の主役にもなり得るエゴノキ、なるべくその風情のある樹形を保ちたいですね。
山の木のほとんどはあまり手を入れすぎるとかえって細かい枝が吹いてきて樹形が崩れてしまうことも。気付いた時に、葉のまったく出ていない枯れ枝を取り除いておく程度でもOKです。
もう少し手を入れるなら、枝が混んでいたり、枝と枝が交差して風通しが悪そうに見える部分を枝の元(枝分かれしている分岐点)から切り除いておきましょう。もし、株元から垂直に出てきた「ひこばえ」と呼ばれる勢いの良さそうな枝は、本株への養分を横取りして樹勢を弱らせる原因にもなるので太くなる前に取り除いておくと良いでしょう。

こうしたお手入れは花後の猛暑になる前か、落葉後の厳寒期を除いた時期に行います。それ以外は自然に任せておけば自ら野趣溢れる樹形をつくって行ってくれるはずです。

エゴだけに付く害虫、エゴノネコアシって?


猫の足にしては指の数が多いですが…エゴノネコアシの虫こぶ

病害虫にはあまり悩まされにくいエゴノキですが、稀に「エゴノネコアシ」というアブラムシが新芽に寄生して、まるで猫の足のような2~3センチの虫こぶ(虫えい)が発生します。猫の足というよりは、バナナのようにも見えますが、この放射状に集まった袋の中に幼虫がぎっしり入っています!
アブラムシなので、木全体を枯らしてしまうほどの悪さはしませんが、新芽が汁吸されてしまうので、気になるようであれば虫こぶごと取り除いておきましょう。

いかがでしたか?落葉樹の中でも人気のエゴノキは白い花が爽やかなだけでなく、とても管理もしやすく育てやすいので、環境が合えばぜひシンボルツリーや庭木として植えてみて下さいね。
緑陰樹としてもやさしい表情を見せてくれますよ!

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