アジサイアナベル

アジサイ科 アジサイ属 落葉低木

丸みのある花がお庭を華やかに演出する白花のアジサイ

こんもりとした毬のような花が美しい白いアジサイ、アナベルをご存知ですか?ライムグリーンのつぼみから徐々に純白に移り変わる花の様子は清涼感を放ち、爽やかに初夏の訪れを知らせてくれます。
一見、装飾花(花びらの部分)が主体の一般的な西洋アジサイと同じようにも見えますが、大きく異なるのは花を付けた様子と葉の雰囲気。細い茎をスッと縦に伸ばし、先端に付けた花は明るく華やかです。葉はいわゆるアジサイよりも薄く、ひらりと繊細な印象です。
いつの頃からかアジサイの名所といわれるスポットはもちろんのこと、公園や公共スペース、お庭などでも盛んに見かけるようになったこのアナベル。なぜこんなに人気が高まっているのでしょうか?透けるような白い花が清涼感いっぱい!のアナベル

アナベルが注目を集めるようになった背景には、美しさや華やかさだけではなく、誰もが気軽に植えてみよう、という気持ちにさせるような「育てやすさ」があります。
例えば、アジサイを植える場所といえば、少し暗めの場所というイメージです。実際、日本古来のガクアジサイや、いわゆる西洋アジサイは直射日光の当たる場所に植えると花色が褪せたり、葉がしおれてしまうこともあります。
ところが、北アメリカが原産のアナベルは日当たりの良い所も大好き!初夏の強い日差しの下でも元気に花を咲かせてくれます。

しかも従来の西洋アジサイは放置すればどんどん上に上に枝を伸ばし、剪定位置が難しくなってしまいます。一方、アナベルは剪定が遅れて冬頃になってしまっても、初夏、しっかり花を楽しめます。剪定位置も難しくなく、ガーデニング初心者でも手軽に可愛い花を咲かせることができるのです!

お庭は高木だけでは足元がすかすかして、どこか物足りない雰囲気になります。
かといって背の低い草花で埋めようとすると、次々枯れたり植え替えたりと手が掛かります。こうした低木を上手く取り入れれば、あまり手を煩わせずに季節ごとの花や紅葉も楽しめるのです!
特にアナベルは白を基調とした爽やかなホワイトガーデンの背景づくりには欠かせない立役者でもあります。ご自宅でも低灌木の1本として取り入れて、ナチュラルで見ているだけで癒されるお庭づくりにチャレンジしてみませんか?

ライムグリーンから瑞々しい白、そしてアンティークなアイボリーへ
色の移り変わりもおしゃれなのがアナベル

咲き始めから終わりまで、花色が変わっていくアナベルは、どの段階で切り花にしてもおしゃれ!

アナベルの特色として忘れてはならないのが、そのロマンティックな花色の移り変わり。咲き始めは淡い緑がかったライムグリーン、最盛期は真っ白になり、花が終わりに近づくにつれ褪せた黄緑色に移り変わります。そして最後はアイボリーがかった褐色となり、花を終えるのです。
その様子はどの段階でも情緒があり、切り花にしてもドライにしても素敵です。
近頃では無造作にアナベルの切り花が花瓶にあしらわれたディスプレイや、初夏の頃のカレンダーにもよく登場しています!

この色の七変化、アナベルが生まれ持った生理現象ともいえます。いわゆる西洋アジサイの場合、植えた場所の土壌のPHが酸性ならば青、中性ならば紫、アルカリ性ならば赤…といったように花の色が決まります。つまり、見たい色を意図して植栽地を選んだり、土壌を改良するなどの工夫が必要なのですが、アナベルはどこに植えても結果は同じ。爽やかな白い花が楽しめます。
この植栽場所を選ばない性質がまた気軽に植えられるポイントでもあります!

アナベルの剪定が簡単なのはなぜ?
いつ、どこを剪定すればいいの?

アナベルは先述したようによくあるアジサイと比べ、剪定の時期をあまり急がなくても良いのが特色でもあります。
典型的な西洋アジサイの場合、剪定は花後、7月半ば頃までには終わらせておかなければなりません。
というのも、西洋アジサイの場合、花芽を準備し始めるのは秋頃。春に新しく伸びた枝の下にある前年の枝に付けます。そのため、剪定の時期が遅くなってしまうと、うっかり花芽を切ってしまうことになるのです。
しかも面倒だから、と放置すると花芽がどんどん上がって行ってしまい、高い位置からでしか花を観賞できなくなってしまうことに。コンパクトな樹形のまま、美しい花をたくさん期待するなら適切な時期に剪定する必要があるのです。

装飾花が主体の一般的な西洋アジサイは剪定位置と剪定時期がちょっと難しい!

一方アナベルは春に伸ばした新枝に花を付ける性質があります。花芽の準備も4月以降とゆっくり。そのため、剪定は慌てる必要がなく、冬、2~3月頃まで大丈夫です。
しかも剪定の場所は簡単!花が伸びている茎から2~3節の脇芽が出ている上の部分で切るだけです。

アナベルの剪定は冬、2~3月頃でも間に合います!

アナベルの剪定ポイント>

1つ1つの花を大きく迫力ある花を咲かせたい場合

地際の2~3節目あたりで枝を切り落とす強剪定を行うのもアリです。その方が1本1本の枝にしっかりと栄養が行きわたり、花も20~30㎝と両手の平サイズぐらいになります!

花をたくさん楽しみたいなら

花だけを切り落とす弱い剪定を行ってみてください。細い枝に栄養が分散されることで花は小さくなりますが、花が多いと一帯が可愛く賑やかになります。

積雪の多い地域の場合は…

アナベルは他の西洋アジサイと違って茎がとても細いため、重い雪が覆いかぶさると折れてしまうことも。あらかじめ、短めに剪定しておきましょう。

直径30㎝近くにもなるアナベルの花

大事なのは、どのサイズで楽しみたいか、仕上げたいサイズを決めておくことです。アナベルも放置すれば低木とはいえ、人の背ほどの高さに生長します。自分が見せたい位置や管理のしやすさをイメージして剪定して行きましょう。
仕立て方としては、丸みのある形に仕立てるとこんもりと美しい形に仕上がります。

白花と揃えて植えたい!ピンクアナベルってどんな木?

アナベルにはピンクの花色も近年開発され、白花と一緒に植えたい!といった人気も高まっています。一般的なピンクアナベルの花色は咲き始めから淡いベビーピンク、満開になってくると濃いピンクへと変化します。このグラデーションがとても美しく、アナベルらしい茎や葉の繊細さも持ち合わせます。
白花のアナベルと揃えて植えれば、やさしい色のコントラストを楽しめそうですね。

この人気は高まりを見せており、濃いピンクがお好みであれば”ベラアナ”、もっと淡いピンクなら”ピコティシャルマン”、”ル・マニフィーク”、”ル・パルフェ”などの新しい品種も出てきています。
お値段はまだ高価ですが、さまざまな色彩のピンクが楽しめますので、調べてみて下さいね。

ピンクアナベルは同じ北アメリカの原産ですが、白いアナベルと比べると性質が繊細で、直射日光などには弱く、色褪せてしまうこともあります。植える場所は半日陰などを選んであげましょう。
もし白花と同じ日向に植えるのであれば、日よけ等を施してあげたいところです。

咲き始めはベビーピンク、段々と鮮やかなピンクへと移り変わる様子が可愛らしい!

アナベルが枯れてしまいそう、花数が減った、咲かない…
管理方法で気を付けたいことは?

アナベルを育てるにあたり、気を付けたいのが水やりです。いくら明るい日向が好きとはいえ、茎も細く葉も薄いだけに初夏の強い日差しの日は葉や茎からの蒸散が激しく、水やりを怠ると水枯れしてしまうことも。
日差しの強い春から秋にかけて、特に地植えにしたばかりの年は、地表が乾いていたらしっかり水をあげましょう。

水やりのコツとして、植え付け後に株の周囲に10㎝ほどの高さの土手を作り、株元が水鉢(植木を植える際に行う潅水の手法)になるようにしておくと、水が効率的に根に吸収されやすい状態になります。
植栽地に関しても、夏の強い日差しを遮る大きな木の陰になるような場所を選んであげると、安心して夏を過ごすことができるはずです。

花茎が細く葉も薄いアナベルは水枯れに注意!

鉢で育てる場合は、限られた土からしか水分を得られないため、水やりを1日忘れただけで葉がしおれてしまった…ということも。植替えの際は、鉢の上部ぎりぎりまで土を入れず、3センチ以上は鉢の上端から土を下げ、ウォータースポットを設けておきましょう。水やりは土の表面が乾いていたら、鉢底から流れ出るぐらいしっかり行いましょう。

鉢植えのアナベルは土も少なく水切れもしやすい

<アナベルの水やり管理ポイント>
アナベルは水枯れしやすいので、植え付け後、秋まではしっかり水やりを
・鉢植えの場合はウォータースポットが必要
・地植えの場合は根元の周囲に水鉢をつくって上手く水分が吸収できる工夫を

花後は腐葉土をすき込んであげると、余計な肥料もなく翌年はきちんと綺麗な花を咲かせてくれます。
肥料は寒肥として1~2月頃と、お礼肥として花後の7月ごろに、堆肥などの有機肥料や緩効性化成肥料を枝先の下に軽く掘り混んでおきましょう。

アナベルの花数が減ってきたら?

段々と花数が減ってしまった…というお悩みもよく聞きます。先に剪定の章で強剪定もアリ、とご紹介しましたが、アナベルは剪定した場所から二又に新しい枝を伸ばして、その先端に花芽を付けます。

つまりあまり深く剪定し過ぎると、枝数自体が減ってしまうので、その分、分岐も花数も減ってしまうことに。
あまり強剪定を繰り返して花が減ってしまった場合は、その年の剪定を軽めに済ませるなど、年によって調整してみるのも良いでしょう。

アナベルを育てるにあたり、注意しておきたいこととは?

アジサイの葉や茎には嘔吐や痙攣、めまい等などの中毒症状を起こす物質が含まれています。アナベル自体で中毒症状は確認されていないようですが、小さなお子さんやペットなどが口にしないよう注意しましょう。

また、アナベルは上へ上へと垂直に近い角度で枝を伸ばす傾向があり、剪定した先端に間違って手が触れたりすると思わぬ怪我に繋がります!小さなお子さんなどを近くで遊ばせたりする場合は、先端が鋭利にならないよう、処理しておくことも必要です。小さなお子さんやペットにいるお宅では、剪定した先端は鋭利にならないように処理したい

色味の美しいアナベルをドライにしてお部屋に飾ってみよう

アナベルの花が終わったら、ぜひドライにチャレンジしてください!そのアンティーク感のある褪せた色味は単に切ってドライとして飾るだけでも素敵ですし、スワッグやリースなどにしても素敵です。
まだ完全に花が枯れる前に茎から切ってドライにすれば、しばらくはグリーンの色味が残ってフレッシュな色彩が楽しめます。

いかがでしたか?アナベルはとても育てやすく、そして咲き始めから終わりまで、色の移り変わりもおしゃれで神秘的な存在です。ワインレッドや深いグリーンなど、他のカラーリーフとも大変相性が良く、お庭をグッと引き立ててくれますので、ぜひご自宅の花壇や玄関先などにも取り入れてみて下さいね。

一覧へ戻る

Recommend Plants

あなたにオススメの植木と花