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トキワマンサク

トキワマンサク マンサク科 トキワマンサク属

目隠しだけではもったいない!
ベニバナは庭の挿し色に、白花は爽やかな背景に

小さく鮮やかな葉色がおしゃれなトキワマンサクは、丈夫で刈込にも強く、今や日本では生垣の代名詞のような存在になりつつあります。近頃の常緑中低木の生垣によく使われる木といえば、プリペットやギンマサキ、レッドロビンなど人気が定番化している木も色々ありますが、トキワマンサクはその中でもベニバナ、シロバナと2つの品種の枝葉の雰囲気や自然な枝ぶりに人気が高まっています。

特に「ベニバナトキワマンサク」(「アカバナトキワマンサク」の別称も)は、緑に銅葉(ワインレッド)が混じる国内でも珍しい渋めのカラーリーフの常緑樹。どうしても緑一色で平凡になりがちな庭の中で、おしゃれでインパクトのある差し色になるため、中国から日本に入ってきてから一気に目隠しや生垣の代表格となりました。
今では洋風、和風、和モダンなど、どのようなテイストにもマッチするため、一般住宅だけでなく、マンションや公共スペース、商業施設など実にさまざまなシーンで活躍しています。
初夏に開花する花は鮮やかなピンク色で、実に豪華! 1本だけでもお庭に強烈なインパクトを与えます。

一方、国内の一部にもともと自生していた「シロバナトキワマンサク」は、後から入ったベニバナに人気を取られたものの、ベニバナが注目された事で人気が再発見された感もあります。銅葉はいいけれど、ピンクの花はちょっと…と感じる人や、目隠ししたいけれど、ピンクよりは白花で清涼感の感じられる方を…と比較されることで注目され始めました。
シロバナの方は、葉は通年緑色ですが、花はベニバナと同じ5月頃に同じ形状の白いリボン状の花を一斉に咲かせ、緑の葉との色鮮やかなコントラストで爽やかな背景をつくってくれます。

(左)銅葉が大人っぽい庭の演出に一役買うベニバナトキワマンサク
(右)清涼感溢れる白い花と緑のコントラストが美しいシロバナトキワマンサク

ベニバナトキワマンサクの鮮やかなショッキングピンクの花

いずれもそれぞれ全く印象が異なりますが、シロバナ・ベニバナ両方を植えて、それぞれ競い合うように咲く花を楽しむ混ぜ垣もおすすめです。やはりその人気の秘密は、強さ、美しさ、そして一年中密生した葉がしっかり目隠しもしてくれる、という三拍子そろったメリットにあるのかもしれません。
嬉しいことにあまり手が掛からないので自然な樹形を活かせる点も魅力です!この色彩や野性的な枝ぶりなど、独特な美しさを庭の中で上手く使いこなせば、どちらもとても良い味を出してくれます。

生垣に適した木というと、環境を選ばず強靭だと思われがちですが…

よく生垣などとして使われているトキワマンサク。とても強靭なイメージで、どこにでも植えても大丈夫だと思われがちです。
でも、いくら生垣に使われることが多いからといって、万能選手ではありません。その生態や適した環境をよく知っておかないと、想定外の障害も起こってしまいます。

国内では中部(トキワマンサクは静岡、三重、熊本)、海外では台湾、インド、中国南部など比較的暖かい地域に自生するトキワマンサク。寒さがあまり得意ではありません。耐寒性としては-5℃前後。地域でいえば、関東周辺ぐらいまでが生育可能といえます。特にベニバナの方が若干、耐寒性が低く、関東以北では霜の降りる時期に屋外で越冬させようとすると枯れこんでしまうことも。
もし寒冷地などでお庭に入れてみたい場合は、背丈の小さなものをプランターに植え付けて、冬場は室内に取り込んで育ててあげましょう。他の植栽とも相性が良いので、寄せ植えでも個性的な演出ができます!

プランターに他のものと寄せ植えしても万能なベニバナトキワマンサク

逆に暖地が原産地とあって暑さには強いので、強い日差しの当たる場所にも耐えてくれます。
では日陰では上手く育たないのかというと、明るめの日陰であればそれなりに花も付いて元気に育ちます。ただし、あまり暗い場所に植えてしまうと花付きが悪くなり、ヒョロヒョロと徒長して、葉がまばらになってしまうことも。
せっかくの美しい葉の色や花の色を楽しみたいのであれば、なるべく半日以上は光の射し込む場所に植え付けた方が良いでしょう。
もちろん、こうした条件が揃った場所であれば、芽吹く力は強いので、どんどん新枝を出してくれます。
トキワマンサクはとても樹勢が強く、新芽がピョンピョンと飛び出して来ますので、通路などに接近して植えてしまうと枝が邪魔になって来ます。
あまり頻繁に手を入れるのが得意ではない場合は、こうした点も配慮して植栽位置を決めたいところですね。

目隠しとして植えたい場合は、どんな樹形を選べばいい?

生垣用としての流通が多いトキワマンサク。園芸店やホームセンターでは、どうしても生垣用に仕立てられた、一本では頼りないヒョロヒョロの株が多く売られています。
でも目隠しであったり、アクセントとしてであったり、お庭の中での位置づけとして大事な役割がある場合、それでは全く役不足です!妥協せずに、なるべく幹が太く、葉張り(枝の張り出し)がしっかりとしたものを選んで、支柱をして植え付けましょう。

単独で植える場合は枝ぶりのしっかりしたものを選びたい

生垣用として植える場合も、最初はか細くても横にも枝が張ってきますので、40~50㎝は間隔を空けて植え付けて支柱を必ず行います。
2mに1本の間隔で杭を入れて、その間に横木を2本通して釘で固定し、苗木を1本ずつシュロ縄や園芸用の紐などでしっかり固定してあげれば簡易的な生垣用の布掛け支柱の完成です。ネットなどでも「布掛け支柱」で検索してみると、揃える材料や設置方法がすぐ調べられるのでDIYが苦にならないタイプであれば自作してみる手もあります。
支柱は強風などによる倒木を防ぐだけでなく、風に煽られてせっかく根付いた根っこが切れてしまったり、土から浮いて弱ってしまう事を未然に防ぐことができます。根がしっかり活着するまで2~3年は外さないで様子を見ましょう。

あの黄色い花の「マンサク」とは何が違うの?

春先、黄色い花が春の訪れを知らせる「マンサク」。とても品の良い香りでも知られていますが、トキワマンサクと名前は似ていても、雰囲気は大分違います。
確かに名前や花の形は似ていますし、同じマンサク科、マンサク属なのですが、マンサクは落葉でトキワマンサクは常緑。花の時期は春先3月頃で、「マンサク」という名前は葉よりも先に花が咲くことから「まず咲く」→「マンサク」と名付けられたという説もあります。

(左)春先に葉より先に黄色い花を咲かせる落葉のマンサク
(右)初夏に花を咲かせる常緑のトキワマンサク

一方トキワマンサクの花は5月頃。季節が初夏に近づいて来たころに咲き始めます。葉の大きさは少しマンサクの方が大きく、薄くやわらかな雰囲気なのに対し、トキワマンサクの葉は小さく厚みがあります。
いずれもとても華やかな花木ではありますが、役割もテイストも大分違いますので、注文する時などはよく気を付けたいものです。

自然な枝ぶりが美しいトキワマンサク 剪定や管理のポイントは?

常緑小高木であるトキワマンサク、生垣などに仕立てられているのを見ると、大きくなっても2m前後かな?と思われがちですが、実は樹高3~5mには生長します。そのため、シンボルツリーとして立派に仕立てようと思えば可能ではあります。そこまで美しい枝ぶりのものを選ぼうとすると、なかなか見つけるのが難しいのが現状ではありますが…。
やはりお手入れしやすい大きさでキープするなら、2m~2.5mぐらいに抑えるのが理想です。
枝は細く華奢ですし、多少失敗しても自ら自然な樹形を形作ってくれるので、意外と剪定はカンタンです。

樹形を大きく整えるような強い剪定は、7~8月頃の花芽を付ける前、花後すぐに行います。
ただ、もし単独で植え付けて枝葉のワイルドな雰囲気や色彩を楽しむのであれば、不要な枝などを取り除く間引き剪定などにとどめてもOK。刈り込んだりはせずに、あまり手を加え過ぎない方がトキワマンサクの趣のある風情が味わえます。

生垣などの面として使いたい場合、ツゲなどのように真四角に刈り込んだりすると、せっかくのお洒落な枝ぶりが楽しめなくなってしまいます。大きく飛び出した枝は刈り込みますが、あまり成形にこだわらない方がトキワマンサクらしさが活かせるでしょう。枝葉を密に出したい場合は、時期を選んで刈り込めば細かい枝がすぐ吹いてきます。

ただ、トキワマンサクは葉が枝に密集しているので、あまりに混み合ってきたら、やはり枝を間引いた方が良いでしょう。基本的には病害虫にとても強い木ではありますが、風通しが悪い場所や日陰がジメっとした場所に植え付けると、カイガラムシやうどんこ病の被害に遭ってしまうことも。

密集した枝葉に卵を産み付け樹液を吸汁するカイガラムシ

カイガラ虫は葉の裏や枝に卵をたくさん産み付け、樹液を吸う害虫です。また、うどんこ病は白い粉状の物質が葉をまだらに覆うカビの病気。放置すると木全体に蔓延し、樹勢を弱らせたり枯らせてしまうだけでなく、他の木にも広がってしまう事もあります。
いずれも通風が良くない場所に発生しやすい病害虫ですので、枝葉が混んでいる部分は、枝の分岐点から枝を切り除いたり、枝先の葉の重なり合った部分をカットする軽い剪定は頻繁に行ってあげたいところです。
光や風をスムーズに取り入れることで光合成も活発になり、より健康的な葉色も楽しめるようになります。

ちなみに、ベニバナトキワマンサクの葉は、最初から全て銅葉一色というわけではなく、春頃は緑色の中に銅葉が混在する状態ですが、秋以降、段々と全ての葉が銅色に近づいていきます。
一方、シロバナトキワマンサクの方は一年を通して大きな葉色の変化はなく、常に鮮やかな緑色を楽しめます。先にもお伝えした通り、トキワマンサクは萌芽力が強いので、刈り込むほどに新芽を出してくれます。あまり怖がらず、風通しが悪い場所や飛び出た枝は取り除いてあげましょう。

楽しみ方色々トキワマンサクの活かし方

ベニバナトキワマンサクの銅葉はドライにしても素敵です。他のドライフラワーなどと組み合わせれば暗い色味がグッと全体の色を引き締めてくれるので、スワッグやリースなどにおすすめです。
また、秋から冬にかけては1センチに満たない赤い実が付きます。これも一緒に付け加えれば、可愛いアクセントになりそうですね。

(左)花後に付ける赤い実がとてもかわいい!
(右)スワッグにすれば銅葉のカラーリーフが全体を引き締めてくれます。

いかがでしたか?よく街中や住宅街でも見かけるトキワマンサク、選ばれている理由は通年楽しめるその枝葉の美しさ、華やかさ、強さ!
ぜひ目隠しや生垣に、またシンボルツリーに検討してみてくださいね。

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