ミモザ(フサアカシア・ギンヨウアカシア)

マメ科アカシア属

春の到来を告げる淡い黄色の花と明るいリーフはシンボルツリーの定番!


切り花やアレンジとしても人気の高いミモザといえば…

3月〜4月上旬、小さな黄色いふさふさの花を枝いっぱいに付ける木といえば、フサアカシアやギンヨウアカシア、いわゆる”ミモザ“ですね。「羽片」と呼ばれる細長い葉が密に付いた枝の様子は、ふんわりとしたシルエットをつくり、周囲に明るく洗練された印象を与えます。

原産地であるオーストラリアでは国花にも指定され、「ゴールデン・ワトル」とも呼ばれて、日本の桜のような存在として多くの国民に愛されています。その種類は1000種類以上!日本国内でも、近年オージープランツとして、さまざまな品種のミモザが栽培され、個性的な姿や花色などが人気を博しています。

何より庭づくりという視点から、明るく華やかな常緑樹であること、花も葉色も可愛らしく洗練されているということ、そして強靭であること…などなど、庭木として取り入れたくなるメリットがたくさんあります!もちろん、切り花やアレンジにと、さまざまな活用ができる点でも魅力的です。シンボルツリーなどの庭木に迷ったら、ぜひ検討してみて欲しい木です。

ギンヨウアカシアとフサアカシアって同じ木?違いって?

日本の庭木として一般的なのは、3〜4月頃に枝先に黄色い花がこんもりと咲き誇るギンヨウアカシアの方でしょう。細い小葉もその名の通り銀白色でギッシリ密に付いています。


左:花が塊のように房状に付くギンヨウアカシア
右:少し早い時期から咲くフサアカシアはギンヨウアカシアと比べ、花付きが少しまばらで淡い

一方、フサアカシアの方は2月頃から、枝先に少しまばらに花が咲き始めます。花色は同じような黄色ですが、葉の色は鮮やかなグリーンです。日本では、この2種はよくミモザとしてひとくくりにされたり、混同されますが、ヨーロッパで「ミモザ」といえばフサアカシアを指すようです。(本文中ではフサアカシア、ギンヨウアカシアを総称として「ミモザ」と表記します)

近年では、葉の形が前者とはまるで違う、パールアカシアやサンカクバアカシア、ブルーブッシュやブリスベーンなど個性的で洗練された品種も続々と流通しています。これらの品種は従来の日本人にイメージされてきた洋風な家に似合うミモザというより、もう少しモダンでエキゾチックな雰囲気も感じられ、シンプルで近代的なテイストの家にも選ばれる存在になりつつあります!


左:細葉が爽やかなアカシア・ブリスベーン 右:丸みのある葉が人気のパールアカシア

痩せ地にも強く強靭!日当たりと水はけさえ良ければ旺盛な成長を見せる

木を植えるにあたり、やはり植栽環境は気にしてあげたいところですね。多くの木の場合、やはりそれなりに肥沃で適度な湿度や団粒状の土質を好みますが、ミモザの場合は乾燥地帯の木なので、さほど栄養状態が良い土壌でなくてもOK。痩せ地でも、肥料を与えずとも元気に育ちます。というのも、ミモザには根っこにマメ科特有の「根粒菌」と呼ばれるこぶ状の塊が寄生しています。


左:根に付着している小さなコブのような根粒菌 右:根粒菌と共生関係のあるシロツメクサ

根粒菌は植物の成長に必要となる窒素を大気中から採り込み、アンモニアに固定して木に供給してくれます。根粒菌はその代わりに、木が光合成によって作った養分をもらう、いわば共生関係があるのです。よく畑のあぜ道に植えられているクローバーやレンゲなど同じマメ科の植物が「緑肥」とされるのも、この共生関係を見込んで、という訳なのです。

ただ、水はけの悪い場所は苦手。成長が早い分、根もグングン伸びて行くので、根詰まりしないよう、粘土質などの土壌は避け、土質が硬いようであれば植栽時にある程度の土壌改良はしておいた方が良いでしょう。

また植え付け当初は、意外と水枯れを起こしやすいもの。根付くまでの半年ほどは、根元が乾いたらしっかりと水やりした方が良いでしょう。根付いてしまえば、よほどの乾燥状態にならない限り、特別な水やりはしなくても大丈夫です。

ミモザにとって快適な環境とは?成長速度は早いの?

ミモザの耐寒性は-5℃前後とあまり高くありませんが、適温で日当たりが良い環境であれば、すくすくと旺盛に成長します。目隠しやシンボルツリーとして植えた場合には、早々に立派な姿に育ってくれたら喜びもひとしおですね。

とはいえ、あまりに成長スピードの速さにお手入れが追い付かないお宅もよく見かけます。ミモザに限らず、オージープランツは非常に成長が速く、ヒョロヒョロの幼木でも、地植えすると幹も太くなり、グングンと大きくなっていきます。適度に光が当たれば、年間で10㎝以上ということも少なくありません。樹高は根が伸長できれば、5m以上になることも(現地では10m以上)。フサアカシアの場合は、さらに高く樹高10m以上になることもあり、日本ではギンヨウアカシアの方が定番化したのかもしれませんね。


ミモザは成長が速いので剪定はマメに行いましょう

一方、葉張り(左右の枝の幅)というと、最低でも2m以上は想定しておいた方が良いでしょう。ただ、いくら周囲に余裕を持って植えても放置はミモザにとって禁じ手です。昨今の異常気象で、想定以上の強風が吹き付けると、密集した枝葉は風に煽られやすくなり、主幹(メインの幹)が折れてしまうケースも。植え付けの際には、しっかりとした支柱を施し、なるべく1年に1〜2度は枝葉を透かす剪定や高さや幅を抑える整枝、剪定を行いましょう。時期は厳寒期を除いた、開花後〜夏前までが適期です。

以前は自然樹形をそのままワイルドに楽しむ、という風潮もありましたが、今はミモザといえば、しっかり剪定して更新しながら育てて、コンパクトに楽しむ栽培方法が一般的になりつつあります。

もし主幹が折れてしまっても、ミモザは萌芽力がとても強いため、また脇の枝から新芽が出て来て樹勢を吹き返すこともあります。諦めずに様子を見てみて下さいね。

ミモザは移植が困難!植替えはできるだけ避けて

うっかり狭い場所に植えて大きくなってしまったので、移植を…という選択肢はミモザにとっては命取りになる場合があります。根が地中深くにまっすぐ降りていくミモザのような直根性の木の場合、移植をしようと太い根の先を切ってしまうと、すぐ生育不良に陥ります。また、土を崩してしまうことで、先ほどご紹介した根粒菌を落としてしまうこともあり、活力が失われてしまうことも。

どうしても移植したい、という時は幼木のうちに、花が終わった後の4〜6月頃に根鉢の周りの土をなるべく崩さないように行いましょう。

なんだかミモザの葉の元気が無い、枯れそう…疑われる原因は?

ミモザの様子がなんだか最近おかしい、やたらと落葉する、葉色がおかしい…その原因は色々と考えられますが、やはりまずは、命ともいえる根の環境の悪化を疑ってみたいところです。移植などで根を傷めた場合や成長の早さゆえに根詰まりを起こしやすいミモザは、根の環境が悪化すると衰弱してしまいます。もし元気が無い場合は根を傷めないよう、そっと周囲の土を掘り起こし、パーライトや赤玉土などの土壌改良材を漉き込んでみましょう。パーライトは高温や多湿の改善にも繋がりますので、水が停滞しているような場所にもおすすめです。

ミモザに白い粉?カイガラムシなどの害虫を見つけたら…

ミモザの属するマメ科ネムノキ亜科のような、葉が密生するタイプの枝葉にはカイガラムシが発生することがあります。特に多いのが、一見白い粒や粉のように見えるコナカイガラムシやイセリアカイガラムシなど。これが葉を白く覆うほどになると黄色や褐色に葉が退色し、樹勢も衰えて行きます。

カイガラムシは春〜秋にかけて盛んに繁殖を繰り返すので、見つけた時点で大繁殖する前に歯ブラシなどでそっと取り除き、ビニール等に入れて処分しましょう。

もし大発生を繰り返すようなら、羽化したての幼虫には、カイガラムシ専用のエアゾールの薬剤や「オルトラン水和剤」などの使用が一般的ですが、予防を兼ねて使いやすいスプレータイプの「ベニカDX」を葉や茎、枝に噴霧しておくと夏頃の発生を抑えやすくなります。また、その他の害虫対策としても、葉を吸汁する虫に効く「オルトラン粒剤」(浸透移行性殺虫剤)を株元にばら撒いておけば、地面から1mぐらいの低い位置に付く害虫の予防にはなります。


左:害虫の他、病気にも効果があるベニカⅩは希釈せずに葉に直接散布できる薬剤。
右:同じネムノキ亜科の樹木の葉に付いたコナカイガラムシ

ギンヨウアカシア以外にも人気上昇中のモダン品種いろいろ

先述したように、近頃ではミモザにも多くの個性的な品種が登場して人気を高めています。

下記にご紹介する4品種は、花はギンヨウアカシア等と比べ大きく変わりませんが、明らかに違うのは枝葉の雰囲気。それぞれ驚くほど趣が違い、豊かな野性味が持ち味になっています。

アカシア・ブルーブッシュ

ブルーブッシュは名前の通り、根元から枝がブッシュ状に枝分かれし、淡いシルバーブルーの尖った葉が美しく波を打つように密集し、とてもインパクトがあります。成長は速いものの、ギンヨウアカシア等のように、天に向けて上って行くというよりは、旺盛に広がる枝葉のワイルドさを楽しむ感じです。

パールアカシア

ビロードのような光沢感のある丸い葉が可愛らしく、アレンジの材料としてもお馴染みです。葉だけでも十分なボリューム感がありますので、リースにしても、庭木としてもそれなりに存在感があります。ただブルーブッシュほどワイルドさは無いので、楚々としたすっきりとした印象です。

アカシア・フロリブンダ、ブリスベーン

この2品種は細長い葉がとても爽やかで、淡い黄色い花が咲く点でも似ており、簡単には見分けられないので、一緒にご紹介します。その洗練された雰囲気は、シンプルでモダンな現代的な住宅にしっくりと馴染みます。寒さには少し弱く-5℃ぐらいまでがギリギリでしょう。

成長は他と同様で速く、樹高も5m以上になりますが、しっかりと支柱し、切り戻しながら育てて行くのがおすすめです。


それぞれ一般的にイメージされるミモザとはまた違う面白味がありますね!
上段左:から、ブルーブッシュ、上段右:アカシア・フロリバンダ、下段:パールアカシア

リースにスワッグ、一枝だけ挿すのもおしゃれ!加工も楽しいミモザ!

ミモザといえば、やはりアレンジに使われる花材としてもよく知られています。ドライにすればリースやスワッグも素敵ですね。単独でもボリュームは出ますが、他の花材との組み合わせも主張し過ぎず、合わせやすいのがうれしいところ。もちろん、剪定がてら一輪挿しに生けても楚々としてかわいらしく、その活用度の高さは花木の中でも秀逸といえます。

大きく茂りやすいので定期的なメンテナンスは必要になりますが、それを逆手にとって一年中、室内に何かしらに加工したり、切り花にして飾ってみてはいかがでしょう?

但し、ミモザの花粉はアレルギー反応を示す方もいるようですので、心配であれば植え付け前に検査しておくと良いでしょう。

1本あるだけで、堂々の存在感が感じられるミモザ。ご自宅のお庭に取り入れて、オージープランツならではの野性味や個性的な雰囲気を味わってみて下さいね。

 

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